◆ニセコふぁん通信 vol.83
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今月のレポーターは「佐々木眞理さん」です。家族でコテージボンゴ広場を運営。あそぶっくの会員で読み聞かせボランティアとしても活躍中。
◇絵本「ひとふさのぶどう」
ひとりのぼくと ひとふさのぶどう
おいしそうな ひとふさのぶどう
ひとりでたべよう
2023年に有島記念館が企画・監修し、出版された絵本「ひとふさのぶどう」を開けると、男の子とぶどうが向き合っている。ぼくはそれを手に取って、ひとりで食べようと思う。そこに青い目をした男の子が現れる。ぼくは悩む。どうしよう?
有島武郎の創作童話「一房の葡萄」のストーリーをそのまま絵本にすることは難しいと感じた学芸員の方が、悩んだ末に「相互扶助」の考えをエッセンスとした絵本にするべく、有島の考えを今の世に問いかけてみよう、有島の考えに永遠の命を吹き込もう、と生み出された絵本です。
童話の中では、自分の絵の具ではどうしても表現できない西洋絵の具を持っている同級生のジムの絵の具を一つ盗んでしまうぼくのことが描かれています。悪事はすぐにばれますが、そのとき優しい先生が校舎に実る葡萄を一房くれます。
ひとふさのぶどうは
もう ひとふさのぶどうではない
ともだちがたくさんできた
どうしよう?
絵本では、このような表現が出てきます。有島武郎は、悩み考え抜いた一生を送ったと学芸員の方が語られていますが、一房の葡萄に込められた有島の想いを、私たちなりに一人ひとりが考える機会を与えてくれる絵本だと思います。
問い合わせ:企画環境課広報広聴係
【電話】44-2121【FAX】44-3500
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