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ドクター河合の ひとくち健康メモ vol.31

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北海道ニセコ町

みなさんこんにちは、今年は巳(み)年です。巳(み)年は「復活と再生」年と言われています。そこで、再生医療についてお話したいと思います。

◆再生医療とは
損傷や病気によって失われた細胞、組織、または臓器を修復・再生することを目的とした医療技術の総称です。これまでの移植は他人の臓器を移植することが一般的でしたが、再生医療は自分の細胞を使って新たに臓器を作り出すことも可能なので、拒絶反応の心配が少なく、無限に作り出すことも可能でしょう。これにより、従来の治療法では治すことが難しかった病気やけがに対しても、新たな治療の選択肢が増えます。
日本では、世界に先駆けて再生医療を推進するための法律が整備され、薬や医療機器の安全基準を定めていた法律が改正されるなど、国を挙げて新しい医療を推進するという体制が構築されてきています。
例えば、重症のやけどなどでは、欠損した皮膚に自身の皮膚をほかの部位から移植する治療が行われていますが、やけどが広範囲になると採取する皮膚も広範囲になってしまいます。そこで、採取する皮膚を最少限にし、培養して増やすことができれば、広範囲のやけどでも治療することができるようになり、治療期間の短縮や、患者負担を減らす効果が期待できます。
また、患者さんの血液にある免疫を担当するリンパ球に、血な性質を持つ遺伝子を組み込み、そのリンパ球を再度体内に戻してがんを死滅させる治療も研究段階に入っています。

◆課題と展望
再生医療は非常に有望ですが、いくつかの課題もあります。移植した細胞や組織が、がん化するなどの副作用を引き起こすことがあるため、長期的な安全性の確認が必要です。また、細胞治療に関しては、使用する細胞の源や技術の倫理的な問題があります。さらに、再生医療の治療法は高度な技術を必要とするため、治療費が高額になりがちです。
再生医療は、脊髄損傷や心筋梗塞、糖尿病、関節炎、網膜疾患など、さまざまな疾患の治療に応用されており、革命的な変化をもたらす可能性がありますが、まだまだ地道な研究が必要な分野でもあります。しかし、今後の医療技術が進めば、人工心臓や人工肝臓が作られ、治らない病気が無くなる時代が来るかもしれません。

問い合わせ:ニセコ医院
【電話】0136-44-2201

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