◆今月のテーマ
◇少年と自転車
年末年始、「少年と自転車」という映画を見ました。
このフランスの映画は、主人公である養護施設で暮らす10歳ほどの少年が、父親から連絡が来なくなったことを不安に思い、父親が引っ越しをしたためにつながらなくなってしまった自宅の番号に電話をするところから始まります。
少年はひょんなことから、ある女性に週末だけ里親なってもらい、父親を探します。父親を見つけるも、父親は少年に対して二度と来ないでほしいと告げます。少年は、里親の女性の忠告もむなしく、養護施設で3年暮らしていたという地域の年上の少年と仲良くなり、その少年から指示を受けて強盗をしてしまいます。年上少年は、主人公の少年が顔を見られたことを知ると、お前がやった犯罪だと言って逃げていた逃走車から少年を降ろします。少年は、奪ったお金を父親に渡そうとしますが、父親も自分を犯罪者にするのかと少年を突き返します。少年は、路上に落ちたお金を拾わずに里親の元に戻り、一緒に暮らしたいことを打ち明けます。その後、被害者と少年と里親の女性が裁判所内で対面して、少年が被害者に謝罪し、里親の女性が少年に代わって被害者に被害の弁償をすることを約束します。少年は、最終的には少年院に行かずに、里親の女性と暮らすことが許されます。
多くの映画賞を取ったこの作品の着想は、日本の少年犯罪のシンポジウムで聞いた話のようです。私もまた、映画の少年と似たような境遇の子と出会うことがあります。映画では偶然ですが、主人公にとっての里親との出会いのように、更正のきっかけになる環境を見つけようとすることが我々の仕事です。
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