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自治体の皆さまへ

法テラス江差通信(第158号)

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北海道上ノ国町

■AI(人工知能)
AIはいずれ人間のどれだけの仕事を奪うようになるだろう、などと言われて久しいですが、司法もいずれAIに取って代わられるような日が来るのでしょうか。
私が司法試験受験生のころ、よく「自動販売機型の答案は書くな」と言われていました。それは、論証パターンという、受験生は皆が暗記をしているような定型の法的論点に対する判例の理由・見解などを書いた後、事案に記載された事実数点をかいつまんであてはめた上で、結論を出す、というものです。これの何がダメかというと、受験生が考えていないことの表れだというところです。実際の事案は当然千差万別で、当然背景にはそれぞれの事情があったり、複雑な心情があったりするわけです。にもかかわらず、そのような事情を汲み取ることなく、定型の論証パターンに当てはめられそうな数点の事実だけを拾って結論を出したところで、それは本当に妥当な解決と言えるのか、ということです。実務家になった今でも度々、このことを思い出します。
感情を重視すべき、という意味ではありません。ただ、私は人間の機微を感じることができるのは人間のみだと思っています。そして、その機微を感じ取ることで、結論が動くこともあると思うのです。それこそが、法曹がAIに取って代わられるべきではない最たる理由だと思います。その部分を捨象するのであれば、それこそ事案を特徴ごとに分けてAIに任せた方が、迅速かつ判例に沿った「妥当」な解決ができてよいとすら思います。でも、そうではない。
ただ、人間の機微は感じられても言葉で表現するのが難しいところです。AIが人間の機微を感じ取った上、適切な表現ができるようになってしまったら、司法もAIに奪われてしまうのかもしれません。
AIに取って代わられないよう善処いたしますので、お困りごとがある方はどうぞご相談ください。
ご相談のご予約は
【電話】050-3383-5563
までお願いいたします。
(法テラス江差弁護士 松田 明子)

問合せ:法テラス江差法律事務所
【電話】050-3383-5563

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