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《連載》家庭教育シリーズ 第347回

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北海道上富良野町

◆地域の中で育つ上富良野っ子 上富良野小学校長 豊田 央

私は、小学校3年生の時まで小児喘息がひどく、年間30日ほど、学校を休んでいました。病欠が続くと元気になっても学校に「行きたくない!」と言い、母親を困らせていました。
私にとっての転機は小学校4年生の時、父が他界したことにより旭川市の春光町から食堂を営んでいた母の実家がある士別市への転居にあったと思います。
このころから、親以外の地域の大人と関わる機会が、それまでに無いほど増えました。
4~5名いた従業員は、親のように関わってくれました。「背が伸びたね」など、今思えば何気ない日常の会話ですが、私の心の栄養になっていたように思います。食堂に来たお客さんもよく話しかけてくれました。
さらに小学校4年の冬休みから、食堂の出前が私に課せられたお手伝いになりました。出前を届けると「家の手伝いをしてえらいね」と褒めてくれることもありましたが、「遅い!」とか「麺が伸びている!」など、さまざまな苦情を言われることも度々ありました。
当時は、自ら進んでお手伝いをしていたという思いはありませんでしたが、今思えば貴重な体験だったと思います。また、高学年になるころには、喘息も出ず、元気に学校に通うことができるようになっていました。
「子どもは、学校・家庭・地域で育つ」と言います。素敵な大人がたくさんいる上富良野で未来の宝物である子どもたちが健やかに育つことを願って止みません。

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