◆オレンジジャム
教育振興課教育支援担当主幹 松田 剛
「自分とは何か?」大学院生の時に聞かれた質問。いろいろ考えたけれども、まともに答えられなかったことを覚えている。そもそも、忙しい日常生活の中、そんなことを考えている余裕もない。先生は「自分なんてものは無い。ただの記憶の塊だ!」と言っていた。
朝起きてからこの広報を読むまで、あなたは何をしていただろうか?布団やベッドから起き上がって、服を着替えて顔洗って…。そういう細かいことの“記憶の塊”の積み重ねが「自分」だと思っているものらしい。そして、その中にはとても細かい「行動の選択」がある。朝ごはんは納豆なのかパンなのか?ジャムを塗るのかバターを塗るのか?いちごジャムなのかオレンジジャムなのか。私たちは一日の生活の中でとてつもない数の「行動の選択」をしている。その「行動の選択」の傾向が「自分らしさ」なのだと思うとますます興味深い。賞味期限スレスレの半額のオレンジジャムなのか、通販で買ったこだわりの逸品なのか?贅沢にたっぷりぬるのか、もったいないからちょこっとのせるのか。すべて自分次第。
「自分を変えたい!」という話をよく聞くが、「どう変えるか?」という部分は全く語られない。「自分を変える」というのは、結局は日常生活の細々とした「行動の選択」を変えるということになる。もし変わりたいのであれば、自分ができそうな、ちょっとしたことをまずは変えてみる。全部変えなくてもいい。本当に小さな、上手くいきそうな事をできる分だけ。10のうち、たったの“1”かもしれないけど、そこを意識して根気よく続けていく。そんな“記憶の塊”が、あたらしい自分を作っていくはずだ。
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