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【村長・森田のコラム】見る・聞く・思う

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北海道中札内村

■原点回帰
2004年(平成16年)11月28日。これが何の日であるか、お分かりになるでしょうか? 中札内村と帯広市との合併の是非を問う住民投票が行われ、村民が自立を選んだ覚悟の一日です。

深刻さを増す財政難の下で人口減少や少子高齢化等の社会課題に対応すべく、国は1999年に「地方分権一括法」を制定し、規模拡大により地方自治体の行財政基盤の強化を目指しました。いわゆる「平成の大合併」です。10年余で日本の市町村数は3232からほぼ半減しました。

帯広市と本村の合併協議もその流れの一つ。2003年に芽室町と更別村を含めた4市町村で始まった話し合いは、翌年に2市村での本格協議に移行。最終決断は住民に委ねられ、合併反対が1463票で、賛成を378票の僅差で上回りました(投票率81・61%)。

当時の状況で「自立」は、国からの交付金(地方交付税等)が大幅減となるいばらの道。ゆえに自立方策をまとめた資料には、事業廃止や住民負担の増加が様々並びましたが、最重要の取組に掲げられたのは「協働の村」づくりでした。村民の自助と共助を育み、一丸となって苦難を乗り越えようと訴えました。

協働への思いは村の憲法と位置付けられる「まちづくり基本条例」として明文化。村内では、枝豆が全国区の特産品に育ち、花火大会や盆踊りなどの大規模イベントが村民の手弁当で開催され、子どもたちは文武で活躍し、新規起業者たちが地域経済活性化に寄与しています。人口減少率も十勝一低くなり、たくましく歩みを重ねています。

一方、地球温暖化等が加わり、社会課題は合併論議当時より複雑化しています。自立決断から20年。協働の原点に立ち返り、役場としても率先垂範の一層強化に向けて決意を新たにしています。

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