■新語・流行語から振り返る2024
師走を迎え、今年最後のコラムとなりました。いつものように「新語・流行語大賞」(12月2日結果発表予定)の候補を通して2024年を振り返ります。
元日に能登半島を巨大地震が襲い、不安感に包まれて始まったこの一年。8月には宮崎県の日向灘で最大震度6の地震が発生し、制度開始後初となる「南海トラフ地震臨時情報」が発出されました。十勝沖にある千島海溝も大地震の発生サイクルに入っており、防災意識を新たにしました。
情報化の進展が招いた社会不安も。SNS等を通じて見知らぬ者同士が集まった「匿名・流動型犯罪グループ」、いわゆる「トクリュウ」による事件はより凶悪化しています。「ホワイト案件」などと検索し、お金欲しさに安易に犯罪にかかわる若者が増えていることに強い危機感を覚えます。
政治情勢の安定感も欠きました。石破茂首相が就任8日後に踏み切った解散総選挙で、与党は議席を大きく減らし、与野党勢力が拮抗する事態に。「裏金問題」などに対して、国民が「はて?」(NHKドラマ「虎に翼」の主人公の決め台詞)と疑問を投げかけた結果なのかもしれません。
暗い世相に光を差したのは、日本人アスリートの活躍です。仏五輪関連では、やり投げの金メダリスト北口榛花選手の「名言が残せなかった」など4点がノミネート。個人的には、平均年齢41・5歳の総合馬術チームの愛称「初老ジャパン」が衝撃で、50代の自分は「中老」だと知りました。
若者向けSNSに由来する「猫ミーム」「BeReal」など知らない流行語が毎年増える現状ですが、30歳で「50-50」の歴史的偉業を成し遂げるなど今なお進化し続ける大谷翔平選手に今年も鼓舞されました。年齢を言い訳にせず、これからも自分の可能性を信じ続けようと思います。
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