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【村長・森田のコラム】見る・聞く・思う

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北海道中札内村

■「ロッカノヨル」予算削減に思う(上)
六花の森で今秋、3回目の開催を目指していた文化イベント「ロッカノヨル」が中札内村議会の賛成多数で事業予算を削減され、実施断念の運びとなりました。結果に対する論評はさておき、その主張には地方創生の根幹部で違和感があり、住民皆さんのマチづくり論議に資するべく本欄で考察します。お手元の「議会だより」と合わせて〔「ロッカノヨル」予算削減に思う〕お目通しください。

意見の相違を見たのは「広報(PR)戦略」についてです。予算削減を求める議会での申し立ては『村のPRに関しては現在、村の職員がホームページやSNSなどの発信力に注力して』いるので十分である、イベントより優先すべきことがある、との趣旨でした。

確かに本村のPRスキルは強化され、例えば町村職員採用試験でその成果が出ています。上級(大卒相当)では、10年前の2014年度採用の受験者数は十勝全体で398人、本村の志願者数は36人(全体比9%)でしたが、受験者数が3分の1以下に激減した今でも、本村の志願者数は直近5年平均で20人(同16%)を維持。受験者全体に占める割合を伸ばし、公務員志望学生らの“人気自治体〟の一つとなっています。

しかし、超情報化社会における十分なPR効果をインターネットの発信のみで得られるものではありません。行政と人脈を異にする民間企業との連携、村を訪れる人々へのコト(体験)の提供など多面的な戦術が不可欠です。まして村が組織的にSNS運用を始めてわずか2年余。緒についたばかりです。
そもそも「PR」とは単なる宣伝ではなく、関わる人との望ましい関係構築が本義。成果が見えづらく軽視されがちですが、前述の通り人材獲得をはじめ様々な恩恵を地域にもたらします。次号は別視点で深掘りします。

昨年、東京で行われたファンミーティングには、本村出身者やふるさと納税者ら縁ある人が多数集いました。PR(広報)とは人間関係の構築なのです

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