■政治行政の信頼度
5・6月号と二度にわたり当欄で取り上げた「ロッカノヨル予算削減に思う」。広報の重要性の理解を広げるとともに、村議会での論議に一人でも多くの住民が関心を持ってくれれば…と期待して筆を執りました。議会中継動画の閲覧者数が増えるなど一定の成果は得られたようです。
役場のことだけでなく、なぜ議会のPRにまで村長が気に掛けるのか。実は、政治行政への関心・信頼度を高めることはマチづくりを進める重要な要素なのです。
民間シンクタンク「LIFUL HOMEʼS(ライフルホームズ)総研」の調査で、生活環境(街並み、雇用状況等)の満足度以上に、政治行政への信頼度が高いほど住民は自分の暮らす地域に希望を持つ傾向にあることが分かりました。その影響度は他のポジティブに働く要素の2倍以上で、人口減少の認識など否定的心理状態をプラスに転じさせるほどの効果を期待できます。同総研は「住民が減っても希望を持てる地域づくりは可能」とし、最優先で取り組むべきは「『伝える』ではなく『伝わる』を重視した戦略的できめ細かな政治行政の情報発信」だと訴えます。
さて、その政治行政の発信で全国屈指の知名度を誇るのが、昨年11月号のコラムで紹介した広島県安芸高田市。市長としてSNSを駆使し、政治行政を人気コンテンツに育てた石丸伸二氏が、二期目を目指さず東京都知事選への出馬を決めました。人口の東京一極集中を解消し、政治を身近に感じてもらう「エンタメ化」を図るとしています。
テレビや新聞といった既存メディアは泡まつ候補に近い扱いですが、ネット上で大きな話題を集める石丸氏の挑戦。投開票日は7月7日。政治行政を巡る動きに変化は起こるのか。その行方に注目しています。
LIFUL HOME′S総研のリポート「地方創生の希望格差」。200頁を超える大作ですがマチづくりのヒントにあふれています
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