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【特集】新春座談会2025 ~協働の村の前進を目指して~ (1)

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北海道中札内村

中札内村は、2004年(平成16年)11月28日、帯広市との合併協議の結果、住民投票により「自立」を選択しました。その決断から20年を経た新年は、住民・行政区・各種団体・行政が一体となって、考え、決定し、責任をもって実行する『協働の村づくり』の原点を見つめ直したいものです。様々な場所で活躍される住民の方々にお集まりいただき、村の魅力や実践している活動について伺いながら、美しい村の未来について考えました。

・小林利光さん…焼肉 開拓村 代表 自立の中札内村推進検討委員会 委員
・川田美紀さん…教育委員 中札内スペシャルニーズプロジェクト 代表
・寺島達記さん…農家、ポロシリ太鼓振興保存会 会員 淡友会 会員
・太田千佳子さん…中札内高等養護学校 校長

※自立の中札内村推進検討委員会
20年前の帯広市との合併協議時に、村の目指すべき姿や方策、行財政改革の推進事項について検討するために設置された委員会

村長:本日は、合併論議当時の村の様子やこれまで村で取り組まれてきた協働の状況、そして今後の目指す村の姿などについて、様々なお立場からお話を伺いたいと思います。まず、自己紹介をお願いします。

小林:村に来たのは昭和60年で、平成5年から元大正で焼肉開拓村を経営しています。合併論議においては、『自立の中札内村推進検討委員会』の委員としても活動していました。

川田:就職のため村に来てから33年になりました。今は、村の教育委員として3年目に入ったところです。また、中札内スペシャルニーズプロジェクト実行委員会という会を立ち上げ、障がいや不登校、高齢介護などで悩みや困り感を抱える方への理解を広める啓発活動をしています。毎年4月には、世界自閉症啓発デーとして、村内の各事業所にご協力いただき、施設を青色でライトアップするなどの『ブルーdecoプロジェクト』を実施しています。

寺島:村出身で、協和で農業を営んでおり、入植してから5代目です。また、村内で太鼓や茶道といった文化活動に参加させてもらっています。20年前、ちょうど自分が成人を迎えたこともあって、住民投票があったことを記憶しています。村の未来はどうなってしまうんだろうと気にしていました。

太田:令和4年から、中札内高等養護学校で校長をしております。校長になって初めて勤務した学校で、とても不安でしたが、村の方々に助けていただきながら、学校運営をすることができています。

■自立か合併か その時、村は?
村長:合併か自立かで住民の心が揺れていた当時の村の様子や、それぞれの立場で感じていたことについて教えてください。

小林:その当時も、農家の人で、特に若い人たちを中心に活気にあふれ、住民のまとまりがある印象でした。自分たちの地域や文化に誇りを持ち、多くの人がこの村を愛しているのだなと感じていました。人と人とのつながりが強く、お互いの気心が知れる温かなコミュニティーが移住のきっかけでした。また、小さな自治体だからこそ、手を差し伸べられるため細かな行政サービスが提供されていました。安心して暮らせる村づくりを心強く思っていましたので、この村を残せたらなと感じていました。

川田:当時、幼い子どもを育てる母親として、生活用品や専門の小児医療など大体なんでもそろっている帯広市は、大切な生活圏の一部でした。ですから合併に対する拒絶感はそれほど大きくはなく、住民生活が守られるのであれば合併しても良いんじゃないかっていう思いもあったように記憶しています。

寺島:私は本別町にある農業大学校の学生だったので、外から合併の住民投票を見つめていました。自立にせよ、合併にせよ、いずれにもデメリットがあることは理解していました。不安感はありましたが、投票結果を受け入れて、進んでいかなければ…という気持ちでした。

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