■美しい風景を維持する、ということ。
以前、村を訪れた大学生が「自然がきれいな村ですね!」と発言したことに対して、引率の先生がおっしゃった言葉が印象に残っています。
「この風景を自然と言ってはいけない。ここから見える風景は、村の方々が手をかけて大切に育ててきたものだから。」
田舎の方に行くと、「美しい自然」という表現が頭に浮かぶことがよくあると思います。美しい森、美しい草花、美しい浜辺…。しかし、そもそも「自然」とは手を加えないありのままの状態を指します。それを考慮すると、安易に「自然がきれい」という言葉を使うのは適切ではないでしょう。美しい景観の背後には、たくさんの人々の努力があるからです。本村でいえば、防風林や地平線まで続く畝(うね)、黄金色の小麦畑などの美しい農村風景は、人々の手が加えられ、磨かれてきたものです。それらを維持されてきた皆さんには、畏敬の念を抱かざるを得ません。
ところで、日高山脈は国立公園化の際に、その手つかずの「自然」が評価されました。しかしながら、この貴重な自然を守っていくためには登山客への指導やパトロールなど、やはり「人の関与」が不可欠なのです。今を生きる我々が、この貴重な資源を次の世代に残していけるように、責任を持った行動が求められています。
問合せ:総務課企画財政グループ
【電話】67-2491
<この記事についてアンケートにご協力ください。>