■2年越しのご縁
2025年は穏やかな年始となり、つつがなく1カ月が経過しました。十勝晴れに恵まれて除雪作業に駆り出されることは少なく、逆に体がなまってしまった方もおられるかもしれません。2月の中札内村はイベントが盛りだくさんに用意されています。春の訪れに備えて、心身を活動モードにする機会としていただければ幸いです。
中でも23日に開催する講演会(広報誌2頁参照)は、2年余りの交渉を経て実現した企画です。講師は、会社員として働きながら交通事故の撲滅や犯罪被害者支援の拡充等に向けて活動されている松永拓也さん。高齢者の運転操作ミスで多数の死傷者を出した「池袋暴走事故」のご遺族で、最愛の妻子を亡くされました。
中札内村では住民の足対策を最重要課題と捉えて、「車を手放せない人」「車を手放したい人」双方の施策を総合展開しています。前者には安全運転サポート機能に対する補助制度を提供し(22年度で終了)、後者には徒歩移動を楽しむ健康事業を普及させながら村営バスの運行や民間バス運賃無料化などを行い、マイカーがなくても出掛けやすい環境整備を進めました。しかし、高齢化がさらに進む将来、自家用車の取り扱いはより切実な問題となります。住民の皆さんに現状を自分事と受け止めてもらうため、松永さんに示唆をいただこうと来村のお願いを重ねてきました。
公共交通機関が充足していない地方の暮らしにおいては、自家用車への依存度が都市部以上に高く、加えて高齢化も進んでいます。それゆえに重大事故の発生リスクは高いといえ、私たちの誰もが加害者にも被害者にもなりえます。松永さんのお話から様々な気付きを得られるはず。3連休の中日でありますが、多くの参加をお待ちしております。
将来の移動手段をどうするか。松永さんのご講演を通して検討の一助として下さい(画像はイメージです)
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