文字サイズ
自治体の皆さまへ

ワインづくりへの挑戦 File.8

10/18

北海道中頓別町

中頓別も銘醸地!?-寒冷なブドウ栽培地ドイツの工夫-

今月は、醸造用ブドウの世界の産地についてお話します。

こんにちは。地域おこし協力隊・ブドウ栽培担当の山口です。今月は世界の醸造用ブドウ栽培の北限地域であるドイツについてのお話です。突然ですが皆さま、中頓別町を通る北緯45度線はヨーロッパではどの国を通過するかご存知でしょうか?
右の地図をご覧いただくとお分かりのとおり、イタリアやフランスなどを通っています。どちらも有名なワイン産地ですね。その線上には、ブルゴーニュ地方と並びフランスの2大産地とされているボルドー地区という銘醸地もあります。
さらに北緯45度線より北には、シャンパンで有名なシャンパーニュ地方、そして、甘口の白ワインで有名なドイツもあります。これらは稚内市よりもさらに北に位置しています。
ドイツはヨーロッパのほかの産地に比べ冷涼で日照時間が短いという気候ながらも、世界のワイン生産量が10番目に多い国です。そこには冷涼な土地ならではの様々な工夫があります。その工夫の一つが、川沿いの斜面に畑があることです。川沿いで栽培することで夜間の温度の低下を防いでおり、畑が斜面に作られているので日照時間が短くても効率よく日光を当てることができるのです。また、川面からの照り返しも日照不足の解消に一役買っています。そして、品種の選択にも工夫があり、ドイツでは国内の栽培面積の約7割が白ワイン用品種です。冷涼で日照時間が短いため、黒色に着色させる必要のある赤ワイン用品種では成熟しにくいためです。ただ、近年の温暖化の影響で赤ワイン用品種の栽培面積は拡大傾向にあるようです。
このように中頓別町より北の地域でも様々な工夫を凝らしてブドウ栽培が盛んに行われています。それならば中頓別町も将来は銘醸地に…と思いたいところですが、ドイツを始めヨーロッパでは温暖な海流のおかげで高緯度でも比較的暖かく、ブドウ栽培のしやすい地域となっています。銘醸地とはいかないまでも、中頓別町でも工夫を凝らしながら栽培に取り組んでいきます。
次回は、なぜ中頓別町では白ワイン用品種ではなく赤ワイン用品種の『山幸』を栽培しているのかについても触れたいと思いますのでぜひご覧ください。

お問い合わせ:産業課 産業グループ
(【電話】01634-8-7662)

<この記事についてアンケートにご協力ください。>

〒107-0052 東京都港区赤坂2丁目9番11号 オリックス赤坂2丁目ビル

市区町村の広報紙をネットやスマホで マイ広報紙

MENU