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さろまげんき王国「みんなで取り組むがん・性感染症予防~ヒトパピローマウイルスについて~」

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北海道佐呂間町

HPV(ヒトパピローマウイルス)というウイルスを知っていますか?子宮頸がんや外性器周辺にできるがん、性感染症の原因と言われているウイルスです。特に子宮頸がんは若年層の女性で増加傾向にあり、40歳までの女性がかかるがんの死亡で2番目に多いと言われています。ワクチンで予防することができるウイルスのひとつであり、性別や年代関係なく知っていただきたいウイルスです。

■HPV(ヒトパピローマウイルス)とは
主に性交渉によって感染することから、性交渉経験がある方なら女性の80%以上、男性の90%以上が生涯で一度は感染すると考えられています。HPVには200種類以上の型があり、その中には悪性化(がん化)する可能性が高い「高リスクHPV」や、良性の腫瘍となる「低リスクHPV」もあります。HPVに感染しても自覚症状がないため、日常生活の中で感染に気づくことはほぼありません。「HPV感染=がん発症」というわけではなく、ほとんどの場合自己免疫力で数年以内に自然と排除されますが、一部自然に排除されずHPV感染した状態が続きます。その状態が長く続くと、数年~数十年単位の時間をかけて少しずつ悪性の状態へ進行していきます。(下図)

■HPVに感染するとかかる疾患について
HPVには前述のとおり非常に多くの型があり、子宮頸がんをはじめとする様々な疾患を引き起こすと言われています。

◇HPVに感染するとかかる疾患

◇代表的な疾患
(1)子宮頸がん
発生原因の95%がHPV感染と言われています。HPVの中でもHPV16/18型が主な原因と言われています。HPVは男女ともに感染しますが、子宮は女性の体にしかないため、男性は罹患しません。特徴として、前がん病変(がんになる一歩前の状態で、正常よりもがんを発症しやすい状態)や初期の段階では自覚症状がほとんどなく、ほぼ無症状で進行します。進行すると不正出血やピンク・褐色のおりもの等の症状が現れますが、それらの症状が見られた頃には進行している可能性が高いと言われています。30~40歳代で発症することが多いですが、最近では20~30歳代でも発症が見られており、子育て世代に多いという問題もあります。

(2)尖圭(せんけい)コンジローマ
HPVが皮膚や粘膜表面に感染して発症する疾患です。HPVの中でもHPV6/11型が原因と言われています。外性器や肛門、口腔内等にカリフラワーのような突起(イボ)が複数できます。自覚症状はほぼありませんが、人によってはかゆみや違和感を覚えます。自然治癒することもありますが、放置すると突起が大きくなったり発生する範囲が広がったりします。「感染したかも…」と気づいたら、男性は泌尿器科、女性は婦人科へ受診しましょう。

■HPV感染を予防しよう
◆予防1 避妊具の正しい使用
性交渉の際に避妊具であるコンドームを正しく使用することで、HPVに感染した男性から女性への感染リスクを減少させると言われています。しかし、コンドームが装着されていない皮膚からの感染を完全に防げるわけではありません。

◆予防2 子宮頸がん予防ワクチン(HPVワクチン)
子宮頸がんや尖圭コンジローマ等の主な原因であるHPVの感染を予防するためには、HPVワクチンの接種が重要です。HPVワクチンは、ワクチン接種後にワクチンとの因果関係を否定できない副反応が見られたことにより、平成25年6月14日から一時的に接種の勧奨が差し控えられていました。しかし、この約10年間で安全性や有効性が見直され、令和4年4月より積極的な接種勧奨が再開されました。
現在日本において公費で接種ができるワクチンは従来の2種類(2価:サーバリックス(HPV16/18型に対応)、4価:ガーダシル(HPV6/11/16/18型に対応))に加えて、新しく導入された9価:シルガード9の計3種類があります。9価ワクチンの特徴として、HPV6/11/16/18/31/33/45/52/58の9つの型の感染を予防する効果があると言われています。9価ワクチンは令和5年4月より公費で接種することが可能となりました。(左記接種対象者)
ワクチン接種については必要性や副反応等について十分ご理解いただいた上で、保護者の方またはご本人の判断により接種をご検討ください。ワクチン接種に関することは、保健福祉課保健推進係までご相談ください。

◇HPVワクチン接種対象者
定期接種対象者:小学6年生~高校1年生相当の女子
※佐呂間町では、中学1年生以上の方に個別通知を送付しています。
キャッチアップ接種対象者:平成9年度~平成18年度生まれの女性
※令和4年4月より、対象者には個別通知を送付しています。

◆予防3 子宮頸がん検診
ワクチンを受けることは重要ですが、中にはワクチンで防げないタイプのHPVもあります。また、HPVワクチンはすでに感染している場合には予防効果が期待できないと言われています。そのため、子宮頸がんの早期発見・治療のために、ワクチン接種と併せて20歳になったら定期的に検診を受けましょう。検診は婦人科のある医療機関や町の集団検診で受けることができます。もし、検診で精密検査になった場合は、症状がなくても婦人科へ受診し経過を見るようにしましょう。

◇町の子宮頸がん検診
日程:7月24日(月) 令和6年1月27日(土)
対象者:20歳以上(2年に1回の受診を勧奨)
検査内容:細胞診検査、エコー検査
予約方法:電話、回覧板、ネット予約等
※予約フォームはこちら!(本紙掲載二次元コードをご覧ください。)

がんや性感染症は症状の出現まで時間がかかることが多く、なかなか気づくことができません。そのため、ワクチンや検診等を受けたり必要に応じて医療機関へ相談したりすることで、自身の体の状態を確かめましょう。

問合せ:保健福祉課保健推進係
【電話】2-1212

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