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令和6年度の当初予算について

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北海道余市町

余市町長 齊藤 啓輔

新年度が始まりました。令和6年度予算は105億円と、昨年度との比較で7.1%増えています。この予算のポイントについて解説します。
まずは、何といっても小中学校の給食費が無償になり、0歳から2歳の保育料も無償になります。北海道では給食費を無償にしている自治体が約40ありますが、ほとんど人口の少ない自治体であり余市町の人口規模での実施は財源的になかなか大変です。この給食費の無償化には約6,000万円、保育料の無償化には約1,500万円の予算を割きました。
ちなみに、近年の猛暑で話題となっている小中学校への冷房の設置ですが、保育所含めて全教室に配備するように令和5年度予算で対応し、すでに取り進めているところです。
とはいえ、お金がなければ政策は実現できませんが、私の就任以来伸ばしつづけてきたふるさと納税からこの予算を捻出しました。役場スタッフの頑張りでふるさと納税額は約9億円まで伸びてきています。これらをきちんと次世代を育てる施策に当てています。他でいうと、18歳までの医療費は既に令和5年度から無償化しており、HPVワクチンの男性への接種も可能になっています。国の政策とは別に町独自で出生した子ども一人当たり5万円、第3子目以降は5年間で50万円の助成金を支給しています。また、4月からは先進諸国では普通に行われている高精度胎児エコーも小樽協会病院と協力してできるようになります。加えて、余市町に居住している30歳未満の若年層には、奨学金の返済を町で支援する事業も行っています。

◇ふるさと納税を財源とした余市町の切れ目のない子育て支援

〇子育て応援事業
・第1子、2子の出産により5万円支給
・第3子以降の出産により50万円支給
〇胎児精密超音波検査費用助成
〇不妊治療、不育症治療助成

〇余市町奨学金返還支援事業
30歳まで申請可能 町内に定住している方 5年間で最大72万円

経済振興については、いつもワインしかやってないと言われますが、広く余市の産業を支援する事業に予算をつけています。財源を確保すべく、国費を活用できるように総合的な経済振興プロジェクトである『ガストロノミーツーリズム推進事業』を新たに立ち上げ、予算を確保しています。
その甲斐もあって、経常収支比率(100%に近いほど自由になるお金が少ない、私が就任前の平成30年度は決算ベースで101.0%だった)は令和4年度決算ベースで88.8%まで低下させることに成功しました。
他方で、余市町の財政状況はまだまだ厳しい状況で、収入のうち町税の割合は決算ベースで約15%程度しかなく、収入のほとんどを交付税他に依存しています。支出では少子高齢化の加速で、扶助費が20年前に比べて5倍になり、また、公共施設等の老朽化でこのままでいくと維持・更新の経費が毎年約27億円近くかかってくると推計されています。だからこそ、一層効率的な財政運営を行っていかなければ危機的状況を乗り切ることはできません。
余市町の今後10年のテーマは「次世代の可能性を引き出す」、「資源を最大限活用しまちを持続・発展させる」、「激動する社会に対応する」です。この3つの指針を職員と一丸となって未来に向けて住みやすいまちをつくることに全力を尽くしてまいりますので引き続きのご指導をよろしくお願いします。

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