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ふるさと探訪

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北海道倶知安町

■本州からやってきたツチガエル 486回
森を歩くと、思いがけない出会いがあります。町内のある公園の水辺を歩いていると、飛び跳ねるカエルが視界に入りました。見かけることの多いアカガエルかと思いきやどこか違和感があります。急いで捕まえて見てみると、褐色の背中には多数のイボがあり、体長は50ミリほどあります。それは本来、倶知安にはいないはずのカエル、ツチガエルだったのです。
ツチガエルはそもそも北海道に生息しておらず、かつて本州からコイを運んできた際に紛れ込んで定着したと考えられています。現在では札幌市や江別市といった道央圏を中心に、旭川市、遠軽町、せたな町、七飯町など道内の各地で確認されています。倶知安にはどのようにやってきたのでしょうか……。
外来カエルの侵入は、在来カエルのエサ資源を減らしたり、感染症などの病気を媒介したりといった危険性があります。まずは、ツチガエルが町内にどの程度分布しているのかを調べる必要がありそうです。
昨今の大きな気候変動の中で、生き物たちの様相も変化してきています。その変化にいち早く気付き、記録や対策を取るためにも、身近な自然をつぶさに観察していきたいものです。

文:小田桐亮(倶知安風土館学芸員)

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