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袴田事件、再審開始決定確定

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北海道倶知安町

3月20日、いわゆる袴田事件について再審開始決定が確定しました。再審とは、裁判のやり直しのことを言いますが、死刑が確定し、後に再審が開始された事件としては戦後5件目となります。
1966年(昭和41年)、静岡市において強盗殺人・放火事件が発生し、元プロボクサーである袴田巌さんが逮捕されました。袴田さんは当初否認していましたが、過酷な取り調べの末、勾留期限3日前に自白。裁判では犯行を否認しましたが、1980年に最高裁で死刑が確定してしまいました。袴田さんは、1981年に再審を申し立てました(第一次再審請求事件)。これは2008年まで続きましたが、最高裁で棄却が確定します。
袴田さんのお姉さんは、2008年、再び再審開始の申し立てを行います(第二次再審請求事件)。東京地裁は、2016年、再審開始の決定をし、同時に、袴田さんの死刑と拘置の執行停止も決定。これにより、袴田さんは実に48年ぶりに釈放されました。
しかしながら、検察側が再審開始決定に対して不服を申し立てます。その後、東京高裁が再審請求棄却(2018年)→最高裁が東京高裁に差し戻し(2020年)→東京高裁が再審開始を認める(2023年)という経緯をたどりました。袴田さんは、まだ無罪が確定したわけではなく、これからやり直しの裁判が行われます(ただし、無罪の公算が高い)。
袴田さんが逮捕されてから、実に57年の年月が経過しています。再審については法制度が不十分との指摘がなされています。
袴田さんが一刻も早く死刑囚の汚名をそそぐとともに、二度と冤罪(えんざい)を生まないための法制度の整備が望まれます。

ようてい法律事務所弁護士 渡邉恵介
【電話】21-6228

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