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ふるさと探訪

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北海道倶知安町

■石臼 485回
石臼は、大豆、ソバ、小麦、米、トウモロコシなどを粉にする道具で、2千年以上前に中央アジアで発明されたといわれ、その後日本に伝わり、江戸時代には庶民に普及しました。
倶知安では明治の頃から使われ、大正5年発行の『倶知安史』(山田羊麓著)には、「明治36年巽に入地した川上昇五郎は、『いまの宮本さんの畠は、まだ原始林だった。一面、熊ザサのヤブで、ササの実がたくさんなり何升も実をとった。食料のなかったころなので、冬になると“ひきうす”で粉にしてダンゴにして食べた。』」とか、「明治の頃の町内の正油醸造の話として『ダイズをイリ、それを粉にひいたなかに、五升釡でコムギをいり、ひき臼でひいてつくったコウジをまぜ、塩水につける』」と書かれています。
石臼の仕組みは、上臼と下臼が軸でつながり、両方が接する面には目が刻まれ、上臼を遣木(やりぎ)で回しながら上臼の穴に穀物を入れると、上下の臼の間で穀物が砕かれ、隙間から粉になって出てくるというものです。
石臼は各地で製作され地域ごとに違いがあり、たとえば、「臼面の刻みが東海から四国までが8区画、関東以北と九州が6区画」、「区画の並びが時計回りか反時計回り」、「下臼面が平面か膨らんでいるか」などありますので、よく観察して違いを見つけると面白いですよ。

文:今井真司(倶知安風土館学芸補助員)

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