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ふるさと探訪

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北海道倶知安町

■本膳 490回
写真の資料は「本膳(ほんぜん)」または「会食膳(かいしょくぜん)」と呼ばれる食器で、昔、冠婚葬祭や正月などのかしこまった食事の時に使われたものです。器や膳の色には、朱色以外に黒色のもの、鶴や松が描かれたものもありました。膳の上に乗っている食器は、手前左から「飯椀(めしわん)」、「汁椀(しるわん)」、真ん中にあるのが「高杯(たかつき)(腰高(こしだか))」、奥側左から「平(ひら)(大平(おおひら))椀」、「坪(つぼ)(壺(つぼ))椀」の順番になります。器に盛り付ける料理には、飯椀にはご飯、汁椀にはみそ汁やお吸い物、高杯には香の物(漬物)、平椀には煮しめ、坪椀には酢の物や煮豆を入れました。他に「二の膳」を用意して、そこに焼き物(魚など)、口取りなども用意しました。
倶知安町史(昭和36年版)には、大正時代の結婚式の話で、『このころほとんどの農家は2~30人分の客用食膳を用意していたが、親戚の家から食膳を借りてきて5~60人分の膳をそろえ、それにさまざまなご馳走(ちそう)をつける』と記され、盛大に結婚式が行われていたようです。
現在では、会食で本膳料理を見ることはなく、まれにお食い初めのときや、仏壇に供える食事、本格的な日本料理の食事で見掛けることがある程度です。
風土館の民具収蔵庫には、いろいろな種類の本膳が保管してありますので、来館して見比べてみてください。
文:今井真司(倶知安風土館学芸補助員)

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