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自治体の皆さまへ

【特集】止まらぬ人口減少。函館は、消滅するのか―消えて、たまるか。(3)

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北海道函館市 クリエイティブ・コモンズ

■函館はわたしのまち、第二の故郷。
◇えびす屋 林 諒芽(りょうが)さん
函館市で人力車をひく恵庭市出身の林さん。美しい景観と温かい市民に魅了され、函館市に移住し、函館を自分のまち、第二の故郷と言う林さんの想いとは―。

金森赤レンガの前で人力車を手に観光客を笑顔で見守る林さん。北海道の恵庭市出身で、大学進学を機に函館市に移り住みました。「歴史と美しい景観に興味があり、函館の魅力をもっと深く知りたいと思っていました」と振り返ります。
しかし、その頃はコロナ禍により対面授業やサークル活動が制限され、期待していた学生生活を楽しむことができずにいたところ、たまたま目にした人力車の車夫募集の求人広告に惹かれ「函館の街をもっと知りたい、そしてこの街の素晴らしさを訪れる人々に伝えたい」と車夫になることを決意。
そして現在、林さんは観光客の方々を人力車に乗せ函館の歴史や名所を案内しています。「函館の景観は価値ある商品。毎日、函館の街を走りながら、この美しい風景や歴史を多くの人に伝えることができるのが心から嬉しいし、函館に住んでいて本当に良かったと感じます」。
「夏でも涼しく、過ごしやすい。市民の皆さんも本当に温かくて優しいです。仕事中に道を譲ってくれ、笑顔であいさつをしてくれることが日常茶飯事。そんな人々に支えられていると感じます」と函館の魅力を語るとともに「もっと多くの方々に函館の魅力を伝えたい」と、力強く話す林さん。
函館出身でないけど、誰よりも函館が好きになった―。
今日も林さんは市の魅力を届けるため、函館の文字が入ったシャツを背に、想いを乗せた人力車で函館を駆け巡ります。

◇(市の事業)しごとの創出
市では、市内企業の認知度向上を目指し「はこだてエリア企業採用情報発信支援事業」を実施。また、地域人材確保のため、市認定企業に正社員就職し市内に居住した場合、年間最大24万円を支援する「奨学金返還支援事業」や、東京圏大学生のUIJターン就職活動交通費を補助する「地方就職学生支援事業」にも取り組んでいます。

■だから暮らしやすい。涼しい函館市
函館市は周囲を海に囲まれており、8月の平均気温は東京都と比べて約4℃も低く、平均最高気温はほぼ毎年札幌市を下回る。「函館市は涼しいね」と言われるのは、このためです。
◇今年8月の平均気温
・東京都…29.0℃
・函館市…24.7℃

■だから、函館市は消えない。
こんなに素敵な人がいる、こんなに素敵な場所がある。行政だけでなく函館市が一丸となれば、消えることは決してありません。
本紙写真:市の移住ガイドブックに掲載されているものです。

函館市では、人口減少に立ち向かうため、市全体で積極的な対策を進めています。令和5年6月には「函館市人口減少対策本部」を設置し、移住・定住の促進、子ども・教育への支援、しごとの創出といった重点方針に基づき、市長を中心に部局を超えた取り組みを展開。特に、移住者の支援体制を強化し、市が持つ魅力を積極的に発信することで、若者をはじめとした多くの方々に選ばれる都市を目指しています。
函館が故郷の人、函館が故郷になった人―。
確かに、全国で744ある「消滅可能性自治体」のひとつに函館市の名も挙げられています。しかし、先人たちが築いてきたこのまちには、自然、景観、歴史、食をはじめとする数多くの魅力があふれ、そして先人の優れた叡智と情熱を受け継いだ一人ひとりの市民がいます。もっとこのまちを知り、好きになり、このまちの魅力をいつまでも伝えていく。
函館市がこれからも100万ドルの夜景のように輝き続けるため、もう一度このまちのファンになってみませんか。
特集消えて、たまるか。―終―

■人口流出を食い止め選ばれるまちへ
函館市長
大泉 潤

急速な少子高齢化と人口減少は、地域経済の縮小や地域の閉塞感を招き、安全・安心なまちづくりをおびやかすおそれがあります。人口減少対策は、一朝一夕に効果が現れるものではありませんが、若年層の流出を食い止め、選ばれるまちになるために、未来に向けた効果的な施策を総合的に実施してまいります。今日生まれた子どもは、22世紀まで生きます。全力で未来への扉を開いていきます。

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