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食の都・函館(1)

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北海道函館市 クリエイティブ・コモンズ

~「食の都」の美味しい旅~
秋といえば、スポーツの秋、読書の秋、そして、食欲の秋。函館市では、「食の都・函館」のブランド構築や発信強化に取り組んでいます。今回は「函館の食」をテーマに、この街の魅力を存分にご紹介します。

バル街は函館が誇る食のイベント。函館西部地区のバル街は、春・秋の年2回、一日限りで開催される飲みand食べ歩きのイベントです。2004年に函館で始まったバル街には、全国各地から視察や問い合わせが相次ぎ、いまでは日本のあちこちでバルイベントが開かれています。函館のバル街は地方都市における賑わいづくりの好事例としても注目され、2017年にはグッドデザイン賞の特別賞(地域づくり)を、2019年にはサントリー地域文化賞を受賞しています。参加者は趣ある街並みを舞台に、ドリンクと「ピンチョー」と呼ばれる軽い料理を楽しみます。マップを見ながら巡るルートを探ることもバル街の楽しみのひとつで、チケット1冊では足らずに2冊購入する人も。
実施エリアの中心に位置する「アクロス十字街」では、実行委員会メンバーによる生ハムやワインの振る舞いを実施。毎回数百人もの行列ができるほど大人気です。次のページでは、バル街を立ち上げた実行委員長の深谷宏治さんに、料理人という職業の魅力や函館についての話をお聞きしました。

趣ある街並みと美味しい料理を楽しめる函館西部地区バル街は、毎回約4,000人が集う。

■(市の事業)函館市でも食のイベントを開催
◇グルメサーカス
9月頃に開催。さまざまな料理やスイーツ、地元のビールや日本酒などが一堂に会し、多彩なグルメを屋外で味わうことができる。

◇FOODフェスタ
2月頃に開催。函館や北海道の食材を使った料理を提供。試食や販売のほか、シェフによるデモンストレーションやワークショップも開催。

■美味しいものは、人々を笑顔にして幸せにする力がある。
美味しい料理を作ることこそが、わたしたち料理人の役割です―。そう語るのは、料理人の深谷宏治さん。レストラン「ラ・コンチャ・イ・バスク」のシェフで、世界料理学会の主宰者でもあります。
函館市出身で東京の大学を卒業後、料理人を目指し渡欧。帰郷後は、スペインのバスク地方の民家風に設計した「レストランバスク」やバルレストラン「ラ・コンチャ・イ・バスク」をオープンさせました。
また、同業異種の会「クラブガストロノミーバリアドス」を立ち上げ函館の料理カレンダーを作成するほか、スペイン料理フォーラムの開催をきっかけに始めた「バル街」は全国へと広がりました。2009年から始めた世界料理学会は、今では全国から参加者が集まるほど、料理人をはじめ食のプロや美食家たちの注目を集めています。
深谷さんが料理人を目指したきっかけは、大学時代に遡ります。電気工学科を専攻していた深谷さんですが、当時はベトナム戦争の時代でした。便利な機械を作っても使い方によっては人をあやめる道具になり、知らないうちに戦争に加担してしまうのではと感じた深谷さんは、「料理好きの母がパンやお菓子を作ってくれたときの幸せな気持ちを思い出した。料理なら人を幸せに出来るし、美味しい料理を作ることは戦争に加担しない」と料理人になることを決めました。
「東日本大震災では多くの料理人が炊き出しに向かい、温かい料理で人々に安心を与えました。料理人とはそんな力を持った技術者であり、料理を作るということは幸せなことである」と深谷さんは笑みを見せながら話します。

地元産で手作りしたアンチョビは、長年にわたって努力を重ねた自信作だといいます。

◇函館について聞いてみました
深谷 宏治(ふかや こうじ)さん
スペインから帰国する際、「地方でも成り立つような店をやって都会から人を呼ぶんだぞ。」と言われたのもありますが、もともと函館が好きで、料理の道に入ったときから函館に戻って店を開きたいと思っていました。料理学会をはじめバル街やガスバリカレンダーなど、食に関係するいろいろなことを始めた面白いまちだというイメージづくりができれば良いと思っています。函館市のグルメイベントも他の地域でやっていないような独自性があると、それを目的に外から人がたくさん来てくれるのではないでしょうか。

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