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令和5年度 教育行政執行方針(2)

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北海道利尻富士町

さらに、多様な子どもたちを誰一人取り残すことなく、すべての子どもたちの可能性を引き出し学びの実現と学びの場の一層の充実・整備とともに、個々の児童生徒が自立をめざし、障がいによる学習上又は生活上の困難を主体的に改善・克服しようとする取り組みを促すため自立活動の指導に力を入れ、教育支援委員会や特別支援教育連携協議会を通じて情報の共有や保護者・地域との連携、生涯地域で暮らせる仕組みづくりを強化するとともに、島外の特別支援学校等に通学する保護者への負担軽減のための交通費(フェリー運賃等)の世帯定額助成を継続して実施します。
また、町内すべての児童生徒を対象とした学校給食の無償化につきましては、町の財源による保護者負担へのご高配に深謝申し上げ、今後とも児童生徒の心身の成長に不可欠な学校給食による食育を推進してまいります。
教育活動の様々な施策と小中一貫教育を進めるうえで重要となるのが、教職員の「働き方改革」と組織的な教育力・個々の指導力の向上です。
変化の激しい時代において、学校教育を取り巻く環境の変化を前向きに受け止め、主体性を発揮しながら教職員が生涯を通じて学び続けることは、自身の資質と能力の向上につながり、教育委員会としても様々な支援と新しい取り組みを進めなければなりません。
その中で、国の指針のもと、中学校における運動部活動のあり方における「部活動の地域移行」については、令和五年度から七年度までにおいて、休日の運動部活動から段階的に地域移行できるよう体制・条件整備をしなければならないことから、本町においても限りある人材の中、関係団体や指導者、学校・地域による理解と協議を重ね、生徒の多様なニーズに合った活動機会の充実等に取り組みます。
また、一人ひとりの教師が自らの専門性を高め、誇りをもって主体的な研修となる教職員の「新たな研修制度」導入における支援とともに「学校における働き方改革アクションプラン(北海道・利尻富士町)」の取組についても実行管理と評価検証に努めてまいります。

■二.心豊かな人づくり〜社会教育と生涯学習の充実〜
第三期利尻富士町生涯学習推進計画(二〇二一〜二〇三〇年)では「ふるさとを支える、人の魅力があふれるまち」をスローガンに、住民一人ひとりの学習活動を基本に、地域の良さや可能性を最大限に活かし、相互のつながりを深めた地域づくりによる社会教育を進めることとしています。
そのため、学習活動の要となる鬼脇公民館や体育施設等の今後の整備計画については、施設の利用者との協議や他の施設との効率的・複合的な利活用を模索しながら、学校開放についても積極的に取り組み、具体的な方策を示していきます。また住民のスポーツ・文化活動は、団体や個人それぞれで楽しみ学ぶものであることから、行政として団体組織への助成金ばかりではなく、活動に対する相談や仲間づくりの手助けなどの体制を整え、こうした個々の活動に対する支援を通じて、地域づくりの担い手を発掘し、実行委員会等で組織されるさまざまなイベントや大会への参画を促すことで、地域全体の活性化に結び付くよう取り組んでまいります。
青少年の健全育成については、学校・家庭・地域の連携を図りながら、「地域ぐるみの子育て」を一層進めることが必要です。具体的には、子どもたちの放課後の安全・安心な居場所づくりと体験活動を通じた「放課後子ども教室」をはじめ、地域と学校をつなぐ学校運営協議会(コミュニティ・スクール)を母体にした学校支援活動のさらなる強化に努めるとともに、「チャレンジ教室」など青少年健全育成町民会議と連携した活動を通じて、一人でも多くの大人や学生が子どもたちと関わり、見守れる社会となることをめざします。さらに、コロナ禍により失われた町外との交流事業やリーダー研修への参加などについても対面での再開を図り、子ども同士の交流が育めるよう取り組み、これまでも行ってきた郷土の愛着と誇りを育む「ふるさと教育体験事業」の利尻島上空遊覧飛行を継続して実施いたします。
本町の文化財をより多くの人に知ってもらうための文化財保護活動として、本年、郷土資料館が開館五十周年を迎えることから、観光協会と連携し、館内展示やグッズ製作などの記念事業を行ない来館者の増加と魅力度アップにつなげます。また、これまであまり注視されていなかった遺跡や陸揚庫の調査を通じて、新たな歴史遺産の掘り起こしや普及活動に努めるとともに、所蔵する郷土資料のデジタル化についても積極的に進め、レファレンスの充実や学習教材等への汎用性を高めます。
今後ともふるさとに誇りを持ち、多様性を尊重し、想像力豊かで新しい時代を主体的に切り拓く心豊かな人づくりに向けて、教育委員会が家庭や地域社会の皆様と連携を図りながら社会教育の充実に努めてまいります。
地域とのつながりを活かし、小・中・高十二年間を見通した系統的かつ組織的な教育活動を展開するためには、地元利尻高等学校との接続性と深い連携が重要であります。国の新たな指針においても学科の在り方や活力と魅力ある高校づくりのための具体的な施策の方向性が示されることとなりますが、令和六年度からの利尻高校配置計画の変更に伴う商業科の学級減に伴い、現在普通科を主軸にした商業科目を選択科目に盛り込む教育課程の編成を行っていただいているところであります。
令和五年度におきましても引き続き、ふるさと教育事業や商業クラブ活動への助成、キャリア教育への支援をするとともに、魅力化の一環として高校給食の導入の再検討を利尻町とともに検証を重ねながら協議し、子どもたちが十二年間地元で学び多様な力を身につけるよう様々な取組を推進してまいります。

■おわりに
以上、教育行政の推進方針と主要な施策について申し上げました。来る令和五年度は利尻富士町学校教育推進計画及び教育大綱の新たな方針を方向づける重要な年でもあります。町議会議員の皆様並びに町民の皆様、教育関係者の一層のご理解とご協力を心からお願い申し上げ、教育行政執行方針といたします。

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