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令和5年度 町政執行方針(1)

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北海道利尻富士町

安心で安全な住みよいまち、輝くまち

令和五年利尻富士町議会定例会三月会議の開催にあたり、町政執行に臨む私の所信と施策の基本的な方針を申し述べます。
新型コロナウイルス感染症のパンデミックという未曽有の事態は三年余りの歳月が経過し、ようやくウイルスとの共生を視野に入れた新たなステージへと踏み出す段階に入ろうとしています。令和五年度からはコロナ禍によりダメージを負った町内各方面の本格的な再興を目指し、私たち一人ひとりの英知を結集してこの難局を乗り越えていかなければなりません。
さて、私が町民皆様方から激励を受け、町長に就任しました三期目の所信表明で申し上げた五つの政策方針をさらに充実し早期に結実させるため、今議会に関連する令和四年度各会計補正予算、令和五年度各会計予算を編成し、各条例の制定や一部改正などを提案しておりますが、「利尻富士町まちづくり創造総合計画」においても後期五カ年に向け実施計画を策定するなど、まちの様々な課題に全力を傾注して、町政を執行してまいりますので、議員各位、並びに町民の皆様のご理解とご協力を賜りたいと存じます。

■一.育てる漁業の推進と着地型観光の充実
始めに、本町の基幹産業である水産業の状況についてですが、昨年の利尻漁協における町内の漁業生産額は、一昨年の生産額を三億一千万円上回る十八億一千三百万円となり、過去五年では平成三十年に次ぐ生産額となりました。昨年は、コロナ禍の中にあっても経済活動の再開によりまして、コンブ等の価格の回復も見られ、特にエゾバフンウニにつきましては価格上昇によりキログラム当たりの平均単価が三万円を超え、生産額も五億九千万円と過去三十年間で最高額を記録したほか、サケの豊漁など明るい話題も多い一年となりました。
しかし、その一方で水産業を取り巻く環境は大きく変化しております。
豊かさを実感できる浜づくりを目指すためにも、育てる漁業・管理する漁業を推進し、日本一のブランドである利尻昆布やウニの価値を高めるとともに、国や北海道などの制度も活用しながら関係機関と連携し、漁業振興を図ってまいりたいと考えています。
新年度における水産振興の取り組みでございますが、まずは担い手対策として新たに四名の漁業後継者に対し磯船を贈呈する予定となっています。また、離島漁業再生支援交付金や特定有人国境離島漁村支援交付金事業の実施により漁場の生産力向上や起業・雇用拡大の取り組みを進めるとともに、輸送費への支援、鬼脇地区のホタテ養殖施設整備、ナマコ稚仔保育場の造成などの支援にも取り組んでまいります。
北海道が行う水産基盤整備事業では、富士岬沖及び鬼脇沖に魚礁設置工事を継続、今年度から清川地先への囲い礁整備に着手いたします。
海岸事業では流木等漂着物の処理や、野塚船揚場の改修、富士岬地先へのブロック設置等を実施してまいります。
港湾関係では、国直轄事業として鴛泊港鬼脇港区の南防波堤とマイナス二・〇m物揚場の改良工事を継続して実施するほか、鴛泊港の南外防波堤改良に向けた測量設計についても国と協議を重ねるなど、円滑な事業実施に努めるとともに、利尻島の玄関口として来島者、観光客等を気持ちよく迎え入れるため、海の駅おしどまり周辺の環境整備を目的に、整備計画の検討を進めてまいります。
次に観光業についてですが、昨年は新型コロナウイルス感染症の第七波により、宗谷管内においても感染が拡大し、八月末にはフェリーが冬季ダイヤに変更されるなど、秋季観光に大きく影響を受けたほか、宿泊事業者では従業員が確保できないなど、未だ新型コロナウイルス感染症の影響を強く受けております。
令和四年度上期における観光客の入込数は八万三百人、宿泊客延数は四万七千五百人と一昨年と比較し倍増したものの、コロナ禍前との比較では約七割程度の回復という厳しい状況にありますが、令和六年は「利尻礼文サロベツ国立公園が昭和四十九年九月に指定されてから五十周年」の節目の年となりますので、今年を国内外の観光需要の本格回復に向けた再スタートの一年と位置づけ、観光業を成長させるため、国立公園指定区域自治体並びに関係者と連携を図りながら、町内の経済活性化に向け取り組んでまいります。
新年度における観光業の取組でございますが、滞在観光を促すため、南浜湿原木道の改修、スタンプラリー「利尻クエスト」、サイクルツーリズムの実施、鬼脇地区北海島まつりでの花火大会実施など着地型観光メニューの充実や、利尻島PRのための動画作成、利尻の食と観光PRのための総合スーパーとして全道で事業展開しているイオン北海道(株)と連携し、情報発信の充実を図るとともに、利尻礼文サロベツ国立公園指定五十周年にむけたプレイベントの開催、観光施設についても観光客目線での維持管理に努めてまいります。
また、今年九月には北海道にて「アドベンチャー・トラベル・ワールド・サミット(ATWS)」が実施され、その大会前に実施されるプレサミットコース、大会後に実施されるポストサミットコースに本町が採択されておりますので、受入れに向けた準備を進めるとともに、利礼三町と稚内市による「地域連携DMO」設立に向けた観光地域づくりに対しても、各地の観光協会や商工会、交通事業者等とともに取り組んでまいります。
鬼脇地区においては、二石海岸にある石灯台周辺の展望広場及び石崎海底電線陸揚庫を新たな観光資源として整備します。
商工業については、町内経済活性化のため地域振興商品券事業の継続、商工会の運営に対する補助、事業者の事業継続や経営環境改善のための融資制度に伴う利子補給等、積極的に取り組んでまいります。

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