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令和5年度 町政執行方針(5)

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北海道利尻富士町

■五.心身のすこやかな成長と学びを支える教育の推進
本町の教育施策を推進するにあたっては、「利尻富士町教育大綱(二〇二一〜二〇二三年度)」の三つの基本指針を軸として、教育政策の目標を掲げ、それぞれの施策を着実に実行していく所存であります。
令和五年度からスタートする「小中一貫教育」については、町としても児童・生徒の学びを支える重要な施策ととらえており、ICT教育や教職員の連携に基づく働き方改革の一層の推進を含めて、期待するものであります。
学校給食費の無償化でありますが、令和四年度で六月から国のコロナ対応地方創生臨時交付金を活用し実施してまいりましたが、昨今の物価高騰等による家庭への負担を鑑み、子育て世帯支援策として令和五年度から町内小中学校に通う児童・生徒を対象とした学校給食の完全無償化を実施してまいります。
例年、北海道エアシステム(HAC)のご協力により実施している「ふるさと教育体験事業」については、本年五月に小学六年生を対象として計画しており、利尻島上空を遊覧飛行する直接体験を通して、ふるさと利尻島への愛着や誇りを育む教育の充実に取り組んでまいります。
なお、教育行政執行の内容につきましては、このあと詳細に吉田教育長から申し述べますので、お聴きいただきたいと思います。

■地方創生関係について
令和三年度からの五カ年計画となる「第二期利尻富士町まち・ひと・しごと創生総合戦略」を策定したところですが、人口の減少速度が前計画からの五年間で加速しており、各項目において触れているものもありますが、地方創生のより一層の取り組みにより減少を鈍化させるべく、出産支援事業や子ども医療費の無償化、利尻高校生への通学支援金の給付等、十の事業に予算計上し、引き続き魅力ある地域づくりを促進してまいります。
とりわけ、少子高齢化に加え、若年層の島外流出による生産年齢人口の減少による労働力不足は深刻であり、将来的な町の社会構造の根幹を揺るがす喫緊の課題であることから、現在、商工会・建設協会・利尻漁協に所属する事業者に対する「働き手不足問題」に関するアンケート調査を実施しておりますので、調査結果を分析することで現状を把握し、今年は各業界との情報交換や対話の場を創出しながら、今後の対策を検討してまいります。

■六.脱炭素社会の取り組み
本町は「二〇五〇年に温室効果ガスの排出量または二酸化炭素を実質ゼロ」を目指すべく、礼文町と利尻町との三町共同により、ここに「ゼロカーボン宣言」をいたします。
宣言書についてはお手元配布のとおりですので、後ほど目を通していただきたいと思いますが、二〇二〇年十月に、当時の菅内閣総理大臣により二〇五〇年までにカーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指すことが宣言され、その後骨太の方針二〇二一にも「ゼロカーボン北海道」が明記されたことを契機として、国でも北海道の取り組みを支援するタスクフォース(緊急な課題を解決する組織)が設置されており、カーボンニュートラルへ向け加速しております。
本町としましても、国や北海道と足並みを合わせ、取り残されることなく取り組みを進めて行かなければならないことから、宣言に合わせ「地球温暖化対策実行計画」を策定し、温室効果ガス排出量の現状推計・将来推計を把握した上で、本町にふさわしい削減目標を設定し、町民に示してまいります。

■令和五年度財政運営について
本町の財政状況は、議会や町民の皆様方の行財政改革に対するご理解とご協力のもと着実に進められており、財政健全化法に基づく四つの指標は、すべて国の基準をクリアしていますが、「次世代に苦労をかけない」ためにも、引き続き行財政改革に取り組んでまいります。
これからご審議頂きます令和五年度の予算は、本町の厳しい財政状況の中で、限られた財源の重点的・効率的な配分に留意し、町民の暮らしを守ることを念頭に予算編成を行ったところであります。
その中で、一般会計の建設事業費は十億三千七百五万円となり、特別会計では二億七千十二万円、合わせて十三億七百十七万円で、対前年度比十三・五%の増額を見込んでおり、これらの事業によって地域の雇用、経済の好循環を促すための景気対策を講じようとするものであり、町民の働く場をしっかりと確保します。
また、全国各地の皆様からご厚意により寄せられている「ふるさと応援基金」四億五千万円を有効に活用すべく二十六の事業に充当いたします。
その結果、一般会計の予算規模は五十二億四千百五十万円とし、対前年度比六億八千百万円増、率で十四・九%の増額予算となっています。
また、簡易水道事業会計他九つの特別会計の合計で二十一億三千五百四十二万九千円。一般会計と特別会計を合わせた総額では七十三億七千六百九十二万九千円となり、前年度対比九・八%増の予算としております。
以上、令和五年度の町政執行に対する私の所信の一端と、主な政策を申し述べましたが、三年余りに渡る新型コロナウイルス感染症により基幹産業である水産業や観光業が打撃を受け、また、商工業等の経済活動も冷え込んでいる中、追い打ちをかけるように、ロシアによるウクライナ侵攻の影響による原材料価格や原油価格の高騰により、町民生活にも影響が出はじめていることから、この危機を乗り越えるためにも、町民皆様はじめ関係者の方々の声を聴き、町内経済が活性化するよう努力してまいります。
「安心で安全な住みよいまち、輝くまち」となるために、利尻富士町そして町民の幸せのため、「町政は町民が主役であり、町民一体となって進めなければならない」ということを肝に銘じ、利尻富士町の先頭に立って町政運営に取り組んでいく所存でありますので、町議会議員の皆様をはじめ、町民皆様の温かいご支援と、ご理解、ご協力を賜りますようお願い申し上げ、令和五年度の執行方針とさせていただきます。

■令和5年度 建設事業一覧表
▽一般会計
単位:千円

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