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令和6年度 町政執行方針(3)

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北海道利尻富士町

■三.安心した暮らしを支える防災基盤の強化
本年一月一日発生した能登半島地震では、利尻島においても平成二十三年の東日本大震災以来およそ十三年ぶりに津波注意報が発表となり、利尻島でも二十三センチの津波を観測しました。
本町においてはサロベツ断層帯において最大マグニチュード七・六の地震が想定され、北海道北西沖地震についてもマグニチュード七・八の地震が想定されていることから、地震・津波はいつ起きてもおかしくないとの考えの下、特に、この度の地震で改めて厳冬期の避難所運営等について難しさを感じていることから、本町の防災計画等の点検等を進めてまいります。
また、毎年全国各地で大雨による土砂災害が発生しており、本町においても昨年八月二十五日に土砂災害警戒情報が発表され、幸い土砂災害の発生には至らなかったものの、りぷらと野塚自治会館を避難所として開設し、りぷらには観光客を含め最大八十一名が避難していることから、避難所における運営や衛生環境の強化を図るため、令和六年度において災害用大型トイレカー一台を整備するとともに、引き続き災害用備蓄品の継続整備はもとより、大雨等による土砂災害の危険性の覚知については関係機関との連携を密に迅速な住民対応にあたるとともに、自主防災組織との避難所運営訓練を実施する等、災害発生による避難所運営に万全を期してまいります。
消防関係では、冬期間の防火水槽除雪による水利確保の充実と緊急車両出動時の強化など、さまざまな災害に対応できるようホイルローダーを更新し、消防職員はもちろん消防団員との訓練強化に取り組んでまいります。
また、救急業務については救急救命士確保及び取得に向けた、職員の教育指導や訓練の向上を図るとともに救急体制の維持に努めます。
さらには、令和五年十二月に採用した職員一名を北海道消防学校に入校させるとともに、大型自動車免許一名、大型特殊自動車免許一名を職員に取得させ、消防力強化を図ってまいります。
治山・砂防対策として、町の事業では引続き旭浜地区朝日川の改修工事と、自治会から要望がありました鰊泊地区の排水改修工事を実施いたします。
稚内建設管理部では、昨年の大雨による災害復旧対応として、オチウシナイ川砂防堰堤内の除石とアフトロマナイ川導流堤内の除石を実施する予定となっております。
宗谷森林管理署では、令和五年度補正予算によりヤムナイ沢の床固工の整備と湾内地区深内沢川の床固工嵩上げ整備を実施し、渓間工二基の設計を実施するとともに、令和六年度においてアフトロマナイ川の床固め工整備と、鴛泊・鬼脇両地区において保全整備造林として防火線等の整備と、本泊・南浜地区の下刈りを中心とした保安林整備が計画されております。
宗谷総合振興局林務課では、小規模治山事業としてヤムナイ沢治山施設内の排土工の実施を予定しております。

■四.誰もが健康で充実した暮らしができるまちづくり
超高齢社会に突入し、団塊の世代がすべて七十五歳以上となる二〇二五年を目前に迎える今日、可能な限り住み慣れた地域で自立した日常生活を営むことができるよう「地域包括ケアシステム」の深化・推進を図るべく、四月からの第九期高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画を策定し、地域に応じたサービス提供体制の確保、それらが将来にわたり適切に対応できる受け皿作り等の推進を進めてまいります。
介護保険料につきましては、三月一日に介護保険事業計画策定委員会の答申を得まして、計画期間中の人口の推移や介護サービス費用を推計した令和六年度から令和八年度までの保険料とした条例改正案を提出しております。
高齢者のフレイル予防に重要とされる「外出と交流」「低栄養予防」等への支援策についても介護予防事業において継続し、社会福祉協議会をはじめ老人クラブや関係団体と連携しながら支援策の拡充を図ってまいります。
健康づくりにつきましては、「第二次利尻富士町健康づくり計画二十一」に基づき、乳幼児から高齢者までライフステージに応じた保健事業を実施しておりますが、今年度で十ヶ年計画の最終年となることから、現行計画の検証、町民の健康に関するデータ分析により現状把握を行い、健康課題を踏まえた新たな計画を策定し、健康寿命の延伸を目指してまいります。
生活習慣病対策として、特定健康診査とがん検診受診率の向上を図るとともに、重症化予防を重点とした保健指導や健康に対する意識や行動につながるよう普及啓発を進めてまいります。
第五類感染症となった新型コロナウイルス感染症の予防接種については、令和六年度から高齢者インフルエンザ予防接種と同じく定期接種となることが示されており、今後も引き続き、必要な接種体制の構築に努めてまいります。
介護サービス施設の運営にあたっては、人口構造や社会経済状況の変化を踏まえ、三年ごとに介護報酬の改定が実施されているところですが、今年度において各施設における基本報酬及び基準費用額の見直しが予定されております。
また、各施設における介護サービス管理システムを更新し、利用者の体調管理やケア記録、介護報酬請求事務などの効率化を図ってまいります。
秀峰園では、職員の確保やサービス向上に努め、入所者が安心安全に生活を送ることができる体制整備を図ってまいります。
職員の確保については、介護人材不足を補うため、引き続き関係各校への訪問や募集などを継続するほか、外国人労働者の受け入れに向け、介護福祉士の資格養成校を二年後に卒業見込みである外国人留学生の受け入れを進めてまいります。
また、職員の住環境整備として、職員住宅の整備を進め、充実した受け入れ態勢を整え、島内外の人材確保や生活環境の充実化に取り組んでまいります。
デイサービスセンターでは、職員の確保に努め、安定した施設運営を目指し、これまでどおり通所される利用者の利便性向上やサービスの向上に努めてまいります。
また、近年の暑さ対策のため空調設備を整備し、利用者と職員の安全安心な環境づくりを進めます。
利尻島老人保健施設では、昨年再開した通所リハビリテーション事業について、利尻島国保中央病院と連携し、引き続き理学療法士の出向契約により、万全なサービス提供に努めます。
本施設は開設から二十四年が経過しており、躯体や機械設備等の老朽化が進み、例年施設維持管理費が増加傾向にあることから、今年度において大規模改修実施設計業務を行い、次年度以降年次計画により施設改修を予定しております。また、令和二年度より年次計画により更新している各居室の電動ベッドを今年度においては五台更新するほか、厨房用備品として業務用冷凍庫を更新し、利用者が快適に過ごせる環境の整備と安心安全な食品衛生の徹底に努めてまいります。
鴛泊診療所については、住民の健康保持増進のため、利尻島国保中央病院と連携した効果的な医療の提供に努めます。また、近年の猛暑に対応するため診察室にエアコンを設置し、住民が快適に受診できるよう診療環境の改善を図ります。

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