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自治体の皆さまへ

診療所だより No.301

24/27

北海道北竜町

診療所長 浦本幸彦
■折(お)り合(あ)い
田んぼ仕事もひと段落してゆっくりなさっている事と思います。大変な夏でしたが成果はいかがでしたでしょうか。
仕事と言えばこの診療所だよりを書くことも僕の仕事のひとつです。時々「毎月書くの大変じゃない?」と聞かれることがあります。
書くことは嫌いじゃありません。皆さんにお話したい事を不思議に毎回思いつきます。
今月も何を書こうかと思案している頃に題材が飛び込んできました。締め切り三日前の仕事中にひどい肩こりに襲われました。その前々日に運動をしていた影響かな?と思いましたが人生で経験した事のない程の強い肩こりです。仕事を続けるのも難しいくらいでした。やっとのことで仕事を終えると直ぐに家に帰りお風呂を沸かしました。お風呂で体を温めれば肩こりなら消えてくれるだろうと思ったからです。確かに湯船に体をつけてしばらくすると左肩の痛みは和らぎましたが完全には消えません。翌日には症状が明確になり、肩こりではないと確信しました。細かな症状は省きますが首を後ろに傾けると痛みがひどくなります。
頚椎症です。
頚椎症性神経根症です。
首の骨の変形(骨棘)や椎間板ヘルニアなどで頸椎から出ている神経に障害をもたらしてしまう病気です。
中高年の男性に多い疾患だそうです。中高年か~。いや僕は違うって言いたいけど、ど真ん中の中高年だもんな。
原因は加齢的変化という事です。何をしたからとか何かをしなかったからではなさそうです。でも因果なもんでつい原因を自分に持って来たくなりますよね。運動し過ぎたんじゃないだろうか?普段の姿勢が悪かったんじゃなかろうか?栄養のバランスが悪かったんじゃなかろうか?スマホの見過ぎ(人に比べりゃ少ないのですが)じゃなかろうか?なんてね。
加齢的変化と言う大雑把な言い回しを分解すれば、親から頂いたDNAの影響とこれまでの全人生の生活習慣による影響と言えるでしょう。
原因がわかったところで、訳知り顔を気取ったところで、痛みが無くなるわけでもありません。深く追求するのは止めときましょう。
頚椎症性神経根症の予後は良好のようです。数か月で自然治癒する事が多いそうです。でも手術が必要な症例や症状が残る症例もあるようです。
今は、首に頸椎カラー(むち打ちの人がしているアレ)をして痛みがひどい時は薬を飲んで耐えています。いつか治まってくれる日が来ると信じて待っています。
同業の友人から「あちこちガタが来ますが折り合いをつけていきましょう」と言葉をかけてもらいました。
「折り合いをつける」
辞書で調べますと、この場合対象は自分の体や年齢でしょうから、それに対し「歩み寄る」「妥協する」「譲歩する」との事です。
謙虚になる事なんですね。
年寄りは丸くなるはずだわ。

◆北竜町立診療所
休診日のお知らせ
11月15日(水)は午後1時30分より浦本先生が深川市において介護認定審査会に出席のため、午後より休診となります。

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