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自治体の皆さまへ

診療所だより No.299

20/22

北海道北竜町

診療所長 浦本幸彦
■セカンドライフの勧(すす)め
いつの頃からでしょうか。異常気象とか、観測史上初とか何年に一度なんて表現に慣れてしまったのは。7月初めに福岡を中心に洪水や土石流の被害がありました。被害に遭われた方にお悔やみを申し上げます。(後輩が院長を務めている病院が浸水しました)
二十世紀後半からの気温の上昇は人類の吐き出す温室効果ガス(主に二酸化炭素)が原因で、その気温上昇が乱暴な気候を作り出しているそうです。
温室効果ガスの減少には、一人一人の心がけ、努力も必要ですがもっと大掛かりな人の生活様式の改革が必要な気がします。まあ自動車も電気で走るようになるようですが、現在の技術では寒冷な冬季には問題もあるようです。
世界を救うにはまだまだ多くの問題があり厄介です。僕一人では無理そうなので、みんなにも宿題ね。じゃ身近な診察室の問題から考えていきましょう。
最近の話題はセカンドライフについてよくお話します。僕のお相手はそのお年頃の方が多いから必然ではあります。定年のある職種の方は比較的退職後の仕事や生活スタイルを考えやすく自分なりの第二の人生を実践している方が多いように思えます。 農家の方は基本定年のきまりがありません。なので仕事の辞め時があやふやで遅くなりがちです。その為、身体的、精神的負担が掛かり病院のお世話になる場合も出てきます。
農家の方は真面目な良い人が多いので、元気なのにある年齢に達したからと言って仕事を辞めるのは怠けるような気もするんでしょうね。いいんですよ、もう。何十年も働いて十分社会人、家庭人として勤めを果たしているのですから。経済的に何とかなるなら仕事を続ける必要はないんですよ。ご自分の好きなように生活してよろしいんですよ。
ほとんどの方はこの話を理解はしてくれますし、ご自分でも体力の限界を感じてはいるようですが、中々第二の人生への切り替えに第一歩を踏み出しにくいようです。その理由としてひとつはもう少しやれるのではという自己能力過信願望。
もうひとつは、農業や土いじり以外に趣味や遊びを持っていない仕事一筋無趣味侍。
意外に時間が余ってもやりたい事もないし何していいのかわからないという答えも多かったです。
プロ根性は見上げたものです。一途さは立派です。趣味を持つ時間も余裕も無かったのかもしれません。しかし農作業は肉体的負担が大きく歳を重ねるにつれ困難となります。いつまでも農作業は続けられません。
次の人生を豊かに健やかに歩んでほしいです。
園芸として自然と触れ合う事はお薦めしますが、ご自分の体と心と相談し然るべき時期に区切りをつけるようご助言させてください。
(その然るべき時、つーのが問題なんだけどね)

◆北竜町立診療所
休診日のお知らせ
8月2日(水)は午後1時30分より浦本先生が深川市において介護認定審査会に出席のため、午後より休診となります。また8月14日(月)、15日(火)、23日(水)は終日休診となります。

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