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議会だより No.396 議会広報委員会(5)

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北海道北竜町

■議員コラム
北海道にも桜前線が到来してGW中には道内各地の桜の名所では多くの花見客で賑わったことでしょう。
北海道で桜が見ごろになるころ、本州では、ツツジや藤の花が同じく見ごろを迎えるとのことで日本列島の南北の長大さを知る季節でもあります。
それと同時に、日本語の表現の豊かさも知らされることでしょう。桜は「散る」と表現します。『いろは歌』の「いろはにほへとちりぬるを…」の「ちりぬる」はすでに桜の花が散ってしまってすっかり葉桜になっている情景を歌っているのだそうで「散る」というのは桜に対して使う言葉だそうです。
それぞれの季節を代表する花には「散る」という言葉の代わりに相対させる言葉が決まっているようです。例えば、梅は「こぼれる」、椿は「落ちる」、牡丹は「崩れる」、菊は「舞う」だそうで、このように同じことを言う場合、日本語の特徴として様々な言い換えの文化が今日まで用いられている歴史にも思いを馳せるところではないでしょうか。
それでは、人ではどうでしょうか。現象的事実だけをみれば「死」であることには確かですが平安の古の人々は「往く」と表現してきました。今生の命尽きたならそれで消えて無くなってしまうのではなく、命のふるさとに往くだけなので往生という思想を育んできたのも日本の文化であり伝統なのだと思います。
桜の華が散るのではなく、桜の花びらが散ってゆくのであって、桜の華が決して無くなってしまうのではないように、人も、死によって完全になくなってしまうのではなく、もう一度会える世界があるのだと信じる心を現代まで相続されていることにも、花見を迎える中に思いを寄せたいです。(寺垣信晃)

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