診療所長 浦本幸彦
■高齢者の車が暴走する理由
これを書いている時は6月中旬です。まだ暑さはそれほどでもありません。今年の夏はどうでしょうかね?
さて今月は珍事件から。
ある日の仕事終わりに外部の用事を済ませ帰宅途中、家に食材がない事に気付きコンビニに寄りました。
必要な物をカゴに入れ「そうだ、牛乳も買っとこう」。そのコンビニでは牛乳を買った事がなく売り場もどこかわからず探しました。冷蔵棚の下の方にありました。奥の方に二本、表面に牛乳で有名な道北のT町の文字があります。ここの牛乳は美味しくて間違いないんです。一本抜き取ってカゴに入れレジで会計を済ませ帰りました。
夕食を済ませ、お風呂にも入りサッパリしたところで「そうだ風呂上りには冷たい牛乳だ」と冷蔵庫にパンツ一丁で向かいました。
冷蔵庫を開け、牛乳パックのふたを開き、お下品ですがその場で冷たい牛乳をゴクリとひと飲みしました。
んん?
なんだ、味が変だぞ。
手に持っていたパッケージを見ました。
乳業で有名なT町の町名の隣に「ミルクコーヒー」と書かれていました。おまけに開け口の部分は茶色でコーヒー牛乳を示していました。
なんで間違えた!
行動を思い起こしなぜこのようになったか検証してみました。
(1)不慣れな初めての購入。
(2)商品が下の段でしかも奥に置かれ上部や詳細が見えていなかった。
(3)店員さんが二人対応で丁寧に迅速に袋に詰めてくれた。
(4)家では部屋の照明を点けずに冷蔵庫に入れた。(省エネ)パンツ一丁で取り出す際も冷蔵庫の明かりだけで出して飲んだ。(省エネ2)そして最大の要因が
(5)私の注意散漫、大ボケ野郎。最初は謎にびっくりし、その後自分の不甲斐なさに落胆しました。でも多くの不運の連鎖が奇跡的につながりこの珍事件を起こさせたことは間違いありません。商品が手前にあって表紙が良く見えていたら、袋が無料でなく自分で詰めていたら、照明をつけて冷蔵庫から出し入れしていたら口に含む前に気付いた可能性は大です。
高齢者の車がなぜ暴走するか少しわかった気がします。決して事故を起こした高齢者を擁護する訳ではありません。ですが高齢者の注意力不足だけで暴走が起こるならすさまじい数の事故が毎日起こってるはずです。ハインリッヒの法則に従えばひとつの重大事故の下には29のそこそこの事故がありその下には300ものヒヤリの出来事があるそうです。
牛乳とミルクコーヒーを間違えた奴に言われたくはないでしょうが。
ウルトラQの石坂浩二さん風に言うならば
「あなたが今日無事に運転出来たのは、いくつかの不運がたまたま繋がらなかっただけなのかもしれません」
◆北竜町立診療所
休診日のお知らせ
7月3日(水)は午後1時30分より、浦本先生が深川市において介護認定審査会に出席のため、午後より休診となります。また、7月24日(水)は医師不在となります。
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