■出張で学んだこと
9月は二度の出張で勉強する機会がありました。一度目は札幌で開催された「札幌市図書・情報館」の開館5周年記念イベントです。図書・情報館は、日本の公共図書館で採用されているNDC分類(日本十進分類法)にとらわれない独自のテーマ設定で利用者に寄り添う図書館です。5周年を機に大規模なリニューアルを行い、時代の変化や利用者のニーズを分析してテーマを見直しました。今回登壇したのは図書・情報館で働く司書四人で、司書としての意志と責任、使命感を持って仕事をしていることが伝わり、とてもいい刺激をもらいました。
もう一つは、東京の※取次会社「子どもの文化普及協会」が主催した全国の出版関係者が集うセミナーです。絵本作家の五味太郎さんの講演や、脳科学者の「脳と読書の関係」など興味深い講座もありましたが、私が特に参加してよかったと思ったのは、全国から集まった書店経営者や読書活動をしている方の事例を多く聞けたことです。体にやさしい食事と良質な本を提供しながら子どもも大人も楽しめる空間を提供する店、年間100万人を超えるキャンプ客が訪れる観光地にある書店、SNSで積極的に情報発信をしている店など全国のユニークな読書活動を知ることができました。
北海道の読書環境についてや自身の活動内容について興味を示してくださる方も多く、北海道出身の関係者からは「北海道も本屋さんが少なくなっているので、一道民として本当にありがたい」という声もいただき、今後もこの活動を続けることに意味があると、再認識できました。
※出版業界では、出版社と書店を仲介し卸売を行う流通業者を「取次」と呼びます。
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