■読書会は楽しい
2023年は、書店としてより精力的に活動できた年でもありました。道内でも北見や弟子屈、釧路など新しい出店先が見つかり、本を通してたくさんの出会いがありました。改めて、本のある場所が求められていることを実感できましたし、これからもこの仕事を続けていくためにはどうしたらいいのかを真剣に考え始めています。
書店の活動に加えて、今年は読書会に参加したり、自ら主宰する機会も多くありました。私が主宰する読書会の多くは、参加者がおすすめしたい本を1冊持ち寄り、その本について紹介し合うというものです。発表するのはやや緊張しますが、回を重ねていくごとに上達していきますし、自分では手に取らないであろう本について知識の幅を広げられますし、何よりも発表者しか語り得ない「本との思い出話」を聞くことができるのが醍醐味です。本は「たまたま手に取って読む」ことも多いと思いますが、何か見えざるものによって導かれ、そのときに求めていた答えのようなものに出会えるということが結構あります。そんなエピソードを聞くと、私は“引き寄せ”のような力を感じてしまいます。
また、他の方が主宰する読書会にも積極的に参加し、新しい魅力に気づくこともできました。釧路の読書会では、7cm四方の付箋に発表を聞いた感想やメッセージを書く時間を設け、各発表者に手渡しするという方法を用いていました。読書会は、ややもすると一方的な発表で終わってしまうことも多いのですが、こうすることでなんだか手紙をもらったような気分にもなり、聴き手とのコミュニケーションが生まれます。広尾の読書会では、毎月課題図書を定めて皆で同じ本を読み、感想を伝え合うということをしていました。同じ本でも感想や印象は人によって全く異なり、自分がすっかり読み飛ばしていた箇所に深く言及する方もいて、とても面白かったです。
今までは全て単発で行なっていたのですが、9月からは某所で月イチの読書会も始めました。回を増すごとにより成熟しているような気がします。ご興味があれば、ぜひご連絡ください。
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