■大樹町教育委員会教育長
沼田拓己
新年を迎え、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
町民の皆さまには、平素より町の教育の充実・発展のために深いご理解とご協力を賜り、心から感謝申し上げます。
令和6年は、新型コロナウイルス感染症の影響が薄れつつある中で、ポストコロナの時代に適応するため、私たち一人ひとりを含め、社会全体が「変化」と「挑戦」に直面した一年でした。
こうした年であった昨年を教育委員会の視点で振り返ってみますと、学校教育では、ICTを活用した学びの充実が進む一方で、児童生徒の心身の健康やコミュニケーション能力の育成といった、対面ならではの教育の重要性も再認識されました。特に昨年は、「個別最適な学び」と「協働的な学び」の両立に重点をおき、一人ひとりの学びを深めるために、デジタル教材やAIツールを活用した個別指導が広がりました。同時に、小中高の連続性をもたせて実践しております「大樹学」を通じて、協働の力や社会性を育む教育が実施され、確かな成果をみることができました。
児童生徒の学習環境に関しては、工事の都合で夏には間に合いませんでしたが、小中学校の教室、使用頻度の高い特別教室、職員室などにエアコンを設置し、酷暑の中でも快適に学習に取り組める環境を整備しました。また、昨年8月からは、退任したALTに代わって、トレバー・ブレーミング氏とガブリエル・ワーグナー氏が着任し、生きた外国語活動、英語学習の充実に取り組んでまいりました。
児童生徒のスポーツ・文化活動では、第54回全道中学校スケート大会において、女子1000メートルと1500メートルで、ともに2位の成績を収めた山本彩瑛さん(大樹中学校)をはじめとしたスピードスケートや野球、陸上競技、サッカー、空手などの種目で、多くの児童生徒が十勝の代表や選抜チームの一員として全道、全国大会に出場し活躍しました。また、大樹中学校吹奏楽部は、昨年に続き、十勝の代表として北海道吹奏楽コンクールに出場し、銅賞を受賞しました。
社会教育において、大樹町文化祭は、これまで参加しておられた団体や個人に加え、初めてとなるストリートダンスサークルの発表やプロの演奏家によるホールコンサートなど、従来の良さに新たな発想を取り入れた開催となり、文化活動の力強い盛り上がりを実感しました。また、昨年開催した日高山脈襟裳十勝国立公園指定を記念した作品展では、ことぶき大学の皆さんをはじめ、小中学生から素晴らしい作品を出品いただき、多くの町民の皆さまから、日高山脈の美しい景観や豊かな自然を改めて認識する機会となったとの声をお寄せいただきました。
年が明け迎えた令和7年。干支は「巳」です。巳年は、新たな挑戦や変化に前向きになる「変革」の年であり、これまでの努力が実を結び始める「成果」の年とも言われております。教育委員会としましても「変革」と「成果」をキーワードとして、大樹町の教育の充実、発展に向けて、教育行政の推進に全力を尽くしてまいります。引き続き、皆さまの温かいご支援とご協力を賜りますようお願い申し上げます。
結びに、皆さまにとって、新しい年が素晴らしい1年となりますことをご祈念申し上げ、年頭のご挨拶といたします。
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