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自治体の皆さまへ

病院だより No.80

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北海道天塩町

●帯状疱疹と予防ワクチンについて
ここ数年、当院においても帯状疱疹に罹る患者様は増えてきている印象があります。患者様の中にも、帯状疱疹ワクチンに興味をお持ちの方や、実際にワクチンを接種する患者様も増えているため、今回は当院で取り扱っているワクチンの説明も含めて紹介させていただきます。

○なぜ、帯状疱疹は増えているのでしょうか?
帯状疱疹はもともと高齢者に多く、高齢化によって増加傾向にあると言われています。
さらに、2014年以降、小児の水痘ワクチン定期接種が開始され、水ぼうそうの流行が激減したことで、大人がウイルスに接する機会が減り、免疫が低下していることも増えている理由の一つと言えます。日本では、50代から帯状疱疹の発症率は高くなり、80歳までに約3人に1人が発症すると言われています。

○では、帯状疱疹とは、いったいどのような病気なのでしょうか?
水ぼうそうの原因と同じ、水痘・帯状疱疹ウイルスによって皮膚の痛みや発疹などが起こる病気です。初めて感染したときは、水ぼうそうとして発症し、治った後もウイルスは体内に残ります。普段は免疫によって抑えられているため症状は現れませんが、加齢や疲れなどで免疫が弱まるとウイルスが再び活動し始め、帯状疱疹を発症します。
一般的に皮膚の発疹などが出る数日~1週間ほど前から、ピリピリとした痛みが起こり、皮膚の赤み、水ぶくれ、強い痛みが3~4週間続きます。帯状疱疹の多くは、体の片側に帯状に胸や背中に現れることが多いですが、顔やお腹、手足などに発症することもあります。
※詳しくは本紙をご覧ください。

○帯状疱疹後神経痛という症状をご存じですか?
帯状疱疹後神経痛とは、帯状疱疹の発疹が消えた後も長期的に続く痛みのことです。一般的には帯状発疹発症後、3~6か月以上経過しても続く痛みを指し、その痛みは「焼けるような、刺されるような」痛みと表現されることもあります。年齢が高くなるほど、この帯状疱疹後神経痛への移行率は高くなると言われています。
ここまで読み進めると、『帯状疱疹になりたくない!』と思った方は多いのではないでしょうか? ここからは、当院で取り扱っている2種類の帯状疱疹ワクチンについて説明したいと思います。

接種回数や予防効果、持続期間などそれぞれに特徴がありますので、選択の参考にしてください。また、接種対象は50歳以上となっていますが、近年では20~40歳代の若年層での発症率も増えています。ワクチン接種以外にも、食事のバランスに配慮し、十分な睡眠をとるなど、できるだけ健康的な生活習慣を保ち、免疫力を高めることが有効と言われているため、ご自身の生活の振り返りの機会となれば幸いです。
最後になりますが、私自身も過去に手のひらにできた発疹を放置し、発疹が消えた後に、夜間目覚めるほどの痛みを経験したことがあります。帯状疱疹の治療は、より早期の抗ウイルス薬の投与が重症化や合併症の予防効果があると言われているため、痛みを伴う発疹が出たときは早めに受診しましょう。
(院内感染対策委員 高田寛子)

お問い合せ先:天塩町立国民健康保険病院
【電話】2-1058

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