天塩町長 吉田 忠
令和7年の新年を町民の皆様とともに迎えることができたことに慶びと感謝を込めてご挨拶を申し上げます。
町政の重責を担い2年が過ぎようとしております。旧年は、町民の皆様の温かいご支援とご協力を賜りながら、山積する課題に真摯に向き合い、少しずつですが着実に歩みを進めることができましたこと、心より感謝を申し上げます。また、旧年発生しました水道水の濁りにつきましては、町民の皆様に多大なるご迷惑とご不便をおかけしましたこと、心より深くお詫び申し上げます。
旧年を振り返りますと、4月から天塩町立国民健康保険病院に内科医が着任し、常勤医師2名体制となりましたことで、町民の皆様に医療の面で安心いただける環境が整いました。継続課題でありました、天塩町安定型産業廃棄物最終処分場の維持管理につきましても、民営化の協議が整いましたことで、今後の効果的な民間運営が図られることに安堵しております。子育て分野では、スポーツセンター前屋外遊具が更新され、子ども達の遊び場・交流の場が整備されました。また、子ども・子育て応援ガイドの配布もはじまり、本町の充実した子育て施策が広く伝わっていることと存じます。教育分野におきましては、児童数の減少から令和6年度末をもって啓徳小学校を閉校し、天塩小学校と統合する決断をいたしました。私自身も雄信内地区の出身であり、当校の119年にわたる歴史と思い出を想起しながら、閉校記念式典に参列してまいりました。これまで啓徳小学校を支えていただきました皆様に深く感謝を申し上げます。
天塩高校におきましては、一昨年度から1学年1間口となり、全校生徒も90名弱となりました。7年目を迎えた高大連携事業は、新たに、麗澤大学と包括連携協定を締結し、新体制の中で、麗澤大学及び筑波大学、天塩高校と連携した「まちづくりシンポジウム」を開催しました。また、両大学を天塩高校生が訪れ、本州の高校生らとのまちづくりアイディアの発表会、シンポジウムに参加してまいりました。発表アイディアの1つは、「内閣府地方創生☆政策アイディアコンテスト2024」にて、経済産業省北海道経済産業局長賞を受賞しました。未来を担う若者たちが日々努力を重ね、年々成長していく姿に感銘を受けるとともに、提案されたまちづくりアイディアを「カタチ」にできるよう、皆様と協働した取組みを進めていきたい思いです。
町の基幹産業であります農林水産業に関しましては、天候不良等による飼料用作物への影響や、気候変動等による秋鮭の漁獲量の減少など、大変厳しい状況でございましたが、本町が有する産業基盤、豊かな農水産物や恵まれた資源など、国の「食」を支える大きな強みは健在でございます。また、夏季に開催されました「天塩川しじみまつり」と「天塩スカイライトフェスティバル」では、商工観光業の活気や来場者のにぎわい、高校生をはじめとした地域の皆様が主体となったイベント運営に、町の一体感の高まりと産業の可能性を強く感じました。
旧年は、新たな試みや多くの決断を、皆様との対話の中で進めた「進展」の年であったと思い返しております。
政策に関しましては、現在、役場も含め、あらゆる分野で人手不足が深刻化しておりますが、いかにして人材を呼び込み、獲得するかという点に注力し、外部の知見と「つながり」を大切にしながら、人材確保策を進めております。
また、基幹産業である農林水産業におきましては、担い手、後継者の確保と育成に向けた対策を、関係機関との連携を一層強化し推進しており、特産品であるシジミにおきましては、その資源の回復と、漁業資源の活用推進、付加価値化に努めております。
さらに、町の食資源を活用した特産品開発の促進や、トップセールスによる新たな企業との関係構築など、私も、積極的にまちのプロモーションに取組み、本町の魅力ある特産品の認知度アップを目指しております。先人の方々が築いてきた「ふるさと天塩」は、多くの資源と魅力にあふれています。本町の豊かな自然、恵まれた景観や豊富な食資源など、地域の魅力を最大限発信したく、全国公募の中から2名の公認インフルエンサーを任命しています。SNSやインターネットを通じて、全国へまちの魅力を発信し、まちの認知度・好感度の向上に努めてまいります。
さて、新年は、私の町政も3年目を迎え、第1期の折り返し点となる年でもございます。皆様との対話の中でいただきました多くのご意見、ご指導ご鞭撻と、私自身の旧年の省察(せいさつ)、研鑽の積み重ねを、まちの「発展」と「改革」に活かし、新たな道を切り拓く年でありたい思いでございます。まちづくりの基本でもあります「対話・協働・調和」を銘記し、子どもからお年寄りまで笑顔あふれる優しいマチの実現に向け、一層の努力を重ねる所存です。
結びに、新年が皆様にとって幸せと笑顔にあふれた年となりますよう心よりご祈念申し上げます。そして、私たちの町が、希望にあふれた「飛躍」と「発展」の年となりますよう、町民の皆様のお力添えを心よりお願い申し上げます。
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