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青苗遺跡の発掘現場を公開

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北海道奥尻町

8月25日、奥尻町青苗に所在する青苗遺跡の発掘調査説明会が開かれ、約20名が参加しました。この遺跡は、1977年に北日本では唯一の大型ヒスイ製勾玉が出土したことで有名です。今回は勾玉の被葬者の解明を目的に、福島大学考古学研究室の菊地芳朗教授と学生10名によって8月12日~9月1日の日程で調査されました。
当日は、菊地教授と学生3名が海を見下ろす段丘の端に位置する調査区において、火山灰の堆積状況や過去の調査実績と比較するなどして、出土した土器や遺跡全体の年代観を解説しました。
今回は、擦文時代後期の10世紀~11世紀と思われる溝跡や土器がまとまって出土しましたが、土器のうつわが重ねられ、甕(かめ)が横倒しになったまま散逸しない状態で複数個出土しており、祭祀的な意味合いや、なんらかの儀礼に係わる人工的な行為をしたことが想像されています。
また、青苗遺跡特有の土器の底部に「×」と刻印した事例が複数発見されており、同族集団の居住域であった可能性を考えることもできます。勾玉の埋葬年代と考えられる8世紀頃の遺物の発見がなかったものの、道南地方の11世紀前後の擦文人の生活様式の一端が解明できるものとして、大学において出土品の詳しい分析が行われる予定です。

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