■奥尻町長 新村卓実
新年あけましておめでとうございます
令和7年の新春を町民の皆さまとともに、晴れやかな気持ちでお迎えできますことをうれしく存じます。
町民の皆さまには、平素から町政全般の推進に格別なるご理解とご協力を賜り、心から感謝申し上げます。
昨年は、町民の皆さまが待ち望んでおりました「奥尻町総合庁舎」が完成し、5月に供用開始されたところであります。
新庁舎は、分散しておりました保健福祉センターも本庁舎に配置し、1階フロアーには、議会事務局以外のすべての課が配置され、各課同士の連携と業務の効率化を促し、新たな町行政を体現する一体的な執務室を形成しています。来庁する町民に、「一目でわかるワンルーム」となっていることから、「ワンストップでの窓口対応」が可能となる体制を整えております。また、2階には、議会機能の中心となる円形議場を配置し、会期以外には、セミナー等の「多目的ホール」として活用できることを想定しています。
さらに、老朽化していた消防庁舎を併設し、消防署内においては、消防車庫と隣接する出動準備室を新設し、消防事務室や仮眠室等の各部屋からのスムーズな動線を確保しております。そして、消防庁舎を併設していることから、庁舎中央部の会議室は、執務室と併せ災害対策本部として機能し、2階議場エリアや1階共用部では、一時避難収容が可能で、防災備蓄庫も整備し防災拠点としての機能強化も図られております。
新庁舎は、機能性が高く電力効率の良いエアコンを中心に、地中熱、木質チップボイラー、太陽光発電等、島内の自然エネルギーを積極的に活用しており、高断熱高気密サッシ及び、高性能断熱材を用いた外断熱化により高い外皮性能を確保し、効率的な設備計画と併せて創エネ設備を含まずにゼブレディを達成したことによるBELSの承認を受けています。
また、北海道省エネルギー・新エネルギー促進大賞の「省エネ部門奨励賞」も受賞しております。
このように、新庁舎は、「ゼロカーボンシティ」を宣言する奥尻町の取組を体現する庁舎となっており、これからの奥尻町の「まちづくりの拠点」となる施設と思っております。
一方、旧庁舎については、昭和30年に建設された建築物で築70年を経過し、老朽化が著しい状況となっており、解体することとなっております。旧庁舎は、昭和38年の「奥尻大火・大雨災害」、昭和56年の「集中豪雨」、昭和58年の「日本海中部地震」そして、平成5年の「北海道南西沖地震」など、数多くの災害を乗り越えてきました。また、昭和・平成・令和の三つの時代を時の町長の執務室としても使用されてきました。特に、平成5年の「北海道南西沖地震」時には、当時の天皇・皇后両陛下が行幸啓した際の昼食のカレーライスを試食した場所としても使用されました。あらためて、「長い間ご苦労様・ありがとう」と申し上げます。
そして、旧庁舎跡地には、宿泊施設不足が喫緊の課題となっている現状を踏まえ、100室以上のホテル建設を予定しております。ホテル建設は、本町がこれから持続可能な町として存続するために、必要不可欠であると考えており、昨年の12月議会においては、ホテル建設を予定しております株式会社Joinに出資することを議員の皆様に、承認を得たところであります。ホテルを建設することは、関係人口を増やすことが可能となり、疲弊しております地域経済の活性化につながり、フェリーや航空機の交通手段にも好影響を与え、奥尻町の「起爆剤」となると確信しておりますので、建設に向かって精神誠意努力してまいりたいと思います。
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