少子高齢化、人口減少が進む地方から都市部への人口流出は、新型コロナウイルスの感染拡大を契機に新たな転換期を迎え、全国的に人口密度の低い「地方移住」に注目が集まりました。
とはいえ、国立社会保障・人口問題研究所(東京都)が2023年12月に公表した「日本の地域別将来推計人口」によると、空知管内24市町の総人口は2020年から2050年の30年間で、ほぼ半分にまで減少する見通しです。
妹背牛町においても、他の自治体と同様に人口減少が深刻で、20年に2693人いた人口は50年に988人まで減り、減少率は63・3%に上ると推計されています。
今回の移住者特集では、妹背牛町に移り住んで3年以内の方を対象にインタビューを実施。移住のきっかけや住み心地、利用しやすかった町の移住・定住支援事業などを聞きました。
妹背牛に住み慣れた地元の方たちにとっては何気ない日常も、移住された方たちには魅力の一つになることも。その新鮮な視点を生かして妹背牛の新しい魅力を発掘し、今後のまちづくりのヒントを探ります。
◆移住×演舞
昨年3月に近隣町から妹背牛町に移住した福岡慎太郎さんは、北空知近郊のヨサコイチーム「もせうしRIMUSE(りむせ)」のサポートメンバーです。
今年も旗振り役を担い、札幌市・大通公園周辺で6月上旬に開催された「YOSAKOIソーラン祭り」の会場で踊り子たちの演舞を盛り上げました。
りむせは、北空知唯一のヨサコイチーム。福岡さんは「会話のきっかけにもなって、地域の人たちと打ち解けることができます。別のイベントで共演した『もせうしこがね太鼓』の皆さんとも仲良くなれました」と、笑みを浮かべます。
大衆の視線を集めた本番。6月9日はステージとパレードの計5回の演舞を披露しました。曲調や会場の雰囲気に合わせて、旗の振り方は毎回アドリブ。演舞が終わると、大きな拍手が送られました。
一緒にヨサコイを楽しむ娘は、JR函館本線を利用して滝川市内の高校に通う2年生です。
「電車通学はもちろん、家具・家電量販店への買い物も車で1時間以内の距離」と、妹背牛町の住みやすさの一つに、交通アクセスの良さを挙げる福岡さん。「交通の便が良いので、若い子育て世代にたくさん住んでもらえる町になればうれしいですね」と、話しています。
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