■ポンプ操法
◇深川地区消防組合で唯一のホースカーを使った訓練
消防演習で披露する訓練の一つに、ポンプ操法があります。深川地区消防組合深川消防署妹背牛支署には、同組合管内で唯一、ホースカーと呼ばれる装備品が配備されており、迅速な消火活動の一助となっています。
ポンプ車の後部に搭載されたホースカーは、二輪のタイヤが付いた荷車の要領で何本ものホースを素早く運ぶことができます。
これにより、ポンプ車から遠くに離れた火災現場への放水開始時間を早め、ホースを肩に担がなくて済む隊員の体力消耗を防ぐことができます。
妹背牛消防団は、7月11日の消防演習でポンプ車操法の「ホースカーによる折りたたみホース1線延長操法」を披露。ホースを1本に連結させる機敏な動きに、見学していた北空知管内の消防関係者から注目が集まりました。
ポンプ操法は、実際の火災現場で基本の動きとなる訓練の一つで、入団間もない新人団員に対して教科書のような役割を果たします。
水圧による水の重さを感じてもらうため、若手団員がホースの筒先を持つことが多く、今回の演習では、入団2年目の蔵本健太さん(24)が担当しました。
体を動かすことが好きという蔵本さんは、「地域の役に立ちたい」と、2023年6月に入団。消防演習に向け、農家の仕事と並行して日中・夜間の訓練に励みました。
学生時代はバスケットボールに打ち込んだ183センチの長身と体力が持ち味。7月4日の夜間訓練では「まだ50点ぐらいの出来。本番は100点に近づけたい」と、何度も練習していました。
新人隊員を教育する目的で、ポンプ操法の指揮者にはベテラン隊員が配属されます。今年は、入団29年目の班長・髙城政喜さん(61)が隊員をまとめる指揮者を務めました。
訓練中の真剣な表情から一転して、休憩時間は笑顔を絶やさないムードメーカー。汗だくの隊員たちに気さくに声をかけ、訓練の士気を高めています。
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