北海道PCB廃棄物処理事業に関し、昨年12月21日に、環境省から北海道および室蘭市に対して、西日本の高濃度PCB廃棄物の受入要請がありました。
環境省は、市民の皆さんに要請内容の説明を行うため、2月22日・23日の二日間、わにホール室蘭市市民会館において住民説明会を開催し、延べ77人が参加しました。受入要請の概要、質疑応答・ご意見をお知らせします。
市では、さらに市民の皆さんのご意見をお聞きするため、市内地区連合町会などとの意見交換会を実施するほか、希望する団体との意見交換や、市民意見を募集した上で、受入要請について総合的に判断します。
■西日本の高濃度PCB廃棄物の受入要請の概要・説明内容
・令和5年度末で事業が終了する西日本の北九州・大阪・豊田事業エリアで、受入終了後に高濃度PCB廃棄物が新たに発見された場合、JESCO北海道事業所が操業している令和7年度末までの間、受入可能な範囲でJESCO北海道事業所で処理を行いたい。
・今後、新たに発見される高濃度PCB廃棄物の量はわずかと見込んでいる。
・想定外の量が発生しても処理期限の延長はありません。
・在日米軍のPCB廃棄物の搬入はありません。
《説明会での主な質疑・意見など》
▽室蘭市での処理について
質問:室蘭に負担を押し付けないでほしい。なぜ遠くの室蘭まで持ち込むのか。
回答:JESCO北海道事業所で行っているPCB処理事業は、変圧器・コンデンサーなど処理する化学処理分解プラントと安定器汚染物などを処理するプラズマ溶融分解プラントの2つがあり、唯一プラズマ溶融分解プラントが立地するのは室蘭のみである。
今後発見されるPCB廃棄物の多くは安定器類が主と見込んでおり、安全かつ効率的に処理を進めていくため、変圧器類とまとめて、両方の処理施設がある室蘭にお願いしたい。
意見:室蘭でこれまで安全に処理してきた技術や知見があるので、受入処理すべきだ。何が問題なのか。
▽要請の対象物について
質問:量はわずかとの事だが、PCB廃棄物の掘り起こし調査が不十分で、見込みが甘いのではないか。
回答:見込みの甘さはお詫びする。これまで自治体と連携し、掘り起こし調査に、最大限取り組んできた。また、発見事例集の作成や、テレビCM、新聞広告など可能な限り周知も行ってきた。
質問:米軍のPCB廃棄物を室蘭で処理することを検討しているのか。
回答:今般の要請に、在日米軍由来の高濃度PCB廃棄物は含まれていない。今後、防衛省が処理責任を有する場合であっても、室蘭に持ち込むことはない。
質問:在日米軍基地のPCBを処理した実績はあるか。
回答:米軍の基地の再編工事などにより、防衛省が処理責任を有するPCB廃棄物に関しては、北九州と東京と室蘭で処理した実績がある。
▽PCB処理施設の今後
質問:プラズマ溶融分解プラントの有効活用の検討状況は。
回答:施設の有効活用は平成26年の要請時に室蘭市から出された条件であるが、プラズマ溶融分解プラントの活用は難しいと考えている。後継事業としては、資源循環ビジネスのようなものも検討し始めている。
▽その他
質問:JESCO北海道事業所の終了後に発見されたPCB廃棄物の処理方針を示してほしい。
回答:今後、PCB廃棄物の受け入れに関する安全面のノウハウや、無害化技術の知見を参考に検討していく。
意見:市の判断までのプロセスとして、市民の意見を聞いて決定してほしい。
意見:事業終了まで残り2年、安全に対するモチベーションを高く維持し、安全に操業してほしい。
詳細:環境課
【電話】23-2225
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