■遠隔医療について
富良野医師会
角谷(かくや) 不二雄 さん
遠隔医療とは、遠く離れた地点をオンラインでつないで医療を実現することです。遠隔医療が求められる理由のひとつが人口減少と少子高齢化です。老年人口割合が上昇するため、医療・介護需要は当面増大します。一方、生産年齢人口は低下が続き、医療・介護を担う人材を増やすことは困難です。そうした中、医療・介護を継続して安定的に提供する手段の一つとして遠隔医療が期待されています。遠隔医療には、医師と患者をつなぐ場合(Doctor to Patient、D to P)や、医師と患者さんや高齢者のそばにいる看護士や介護士をつなぐ場合(Doctor to Patient with Nurse、D to P with N)、そして医師と医師をつなぐ場合(Doctor to Doctor、D to D)があります。
富良野協会病院(当院)はD to Pを既に行ってはいますが、まだ非常に限定的です。D to Dの例として、当院と旭川医科大学脳神経外科は、汎用画像診断装置ワークステーション用プログラム「Join」を採用し、遠隔画像診断を用いた救急トリアージ(緊急度や重症度に応じて適切な処置や搬送を行うこと)を行っています。当院は訪問看護師がいないため現時点では「D to P with N」を行えていません。しかし、4月から発足する地域医療連携推進法人ふらのメディカルアライアンスには老健ふらの訪問看護ステーションも参加します。「D to P with N」は、看護師関与で6月から新たに診療報酬が認められることになりました。今後ぜひ発展させていきたい分野です。
遠隔医療に欠かせない技術としては、情報量の多い画像撮影技術と通信回線があげられます。当院そしてふらのメディカルアライアンスとして、これらの技術充実は必須です。しかし、そのためには多額の費用を要することが課題です。
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