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健康〔健康コラム〕

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北海道富良野市

■コレステロールの検査をしてみませんか?
・富良野医師会 大久保 仁史さん

こんにちは、富良野協会病院小児科の大久保です。みなさんは家族性高コレステロール血症(以下FH)という疾患をご存じでしょうか。遺伝性疾患の中で最も多く、300人に1人の割合で患者さんがいると考えられています。常染色体顕性遺伝という遺伝形式をとり、多くは1/2の確率で遺伝します。書いて字のごとく、コレステロールが高い値で経過するので、FHの患者さんは若くして心筋梗塞を発症するリスクが高いのです。未治療では男性なら55歳以下、女性なら65歳以下で心筋梗塞を発症する危険性があります。これは通常より10年から20年早い経過です。黄色腫(黄色いできもの)やアキレス腱の肥厚で見つかることがありますが、小児期ではこれらの症状はほぼ見られません。血液検査をしないとわからないのです。知らず知らずに病状が悪化し、40~50歳台で急に心筋梗塞を発症する患者さんは多いと思います。当院では健診や、当院で行った血液検査で脂質の値が高いお子さんに対して更なる検査を行い、FHの疑いがもたれたら遺伝子検査を勧めています。症状や血液検査では診断できなくても、遺伝子検査で診断できた方がいるからです。遺伝子検査と言えばビックリされると思いますが、検査対象はFHに関係するものだけです。子供がFHと診断されることはショックなことかもしれませんが、実は大きな利点があります。まずはその子の将来において有益な治療と生活指導を早期に行うことができます。またFHの子がいたらどちらかの親は必ずFHです。更にはその家系の方々に必ずFHがいます。その方々がまだ心筋梗塞を発症していなかったら、発症前に対処、治療できるのです。このことはFHの患者さんにおいて、その後人生を大きく左右することだと思います。お子さんのコレステロールをぜひ一度測定して下さい。ただし空腹時での検査をお願います。

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