冬の生活には、冬ならではの危険がたくさん潜んでいます。
特に降雪量の多いこの時期、雪が降る中での外出や日常的に行う除雪作業は、慣れてきて気が緩みがちです。
今月号は、被害に遭わない、事故を起こさない、巻き込まれないための注意点などを紹介します。
雪がたくさん降れば降るほど、雪による人的被害は多くなります。
岩見沢市では、最大積雪深が観測史上2番目の205センチメートルとなった令和2年度に54件の人的被害があり、そのうち死亡事故は6件に上りました。被害の約9割は除雪作業中に起こっています。作業に当たっては細心の注意を払いましょう。
・市内の雪による人的被害(令和2年度)
■雪下ろし事故を防ぐ
昨シーズンの雪による人的被害が報告された事故のうち、約5割は雪下ろし作業中の事故です。
屋根の雪下ろしは、重大な事故につながることがある非常に危険な作業です。安全に作業するためにも、今一度、作業手順や装備を確認しましょう。詳しくは、雪下ろし安全ガイドをご覧ください。
▼安全な雪下ろし作業のための7つのポイント
○安全な服装で!
・ヘルメットを必ず着用し、動きやすい服装で行う
○命綱を必ずつける!
・ザイルや麻ロープを使用し、専用のアンカーで固定する
○屋根の雪のゆるみ、天候に注意!
・暖かい日は屋根が滑りやすいため、気温の低い午前中に作業するほか、悪天候のときは作業を控える
○作業は2人以上で!
・やむを得ず1人で作業する場合は携帯電話・スマートフォンを必ず持参し、家族や隣近所に声を掛け、時々様子を見てもらう
○はしごはしっかり固定する!
・はしごの足元はしっかり固めてぐらつかないようにする
・除雪用具はロープを使って上げ下げする
○作業には細心の注意を!
・通行人、特に高齢者やこどもに十分注意しながら作業する
○無理な作業はしない!
・作業前の準備運動、作業中は適度な休憩や水分補給をする
・経験や体力を過信しない
■除雪機の事故を防ぐ
家庭用除雪機は軽くて小さいため、女性や高齢者でも手軽に扱えますが、使い方を誤ると大事故につながる恐れがあります。
▼除雪機の事故発生状況
平成26年度から令和5年度までの10年間に(独)製品評価技術基盤機構に通知された製品事故情報のうち、歩行型除雪機による死傷事故は38件ありました。
被害状況別では死亡事故が25件と最も多く、事故原因のうち約8割の32件が除雪機の安全機能を無効化したり、使わなかったりするなど、誤使用・不注意による事故となっています。
・被害状況別・原因区分別の内訳
▼除雪機使用時に気を付けるポイント
○安全機能は絶対に無効化しない
クラッチレバーを固定するなど安全機能を無効化すると、使用者が転倒した際に除雪機が停止せず、除雪機にひかれたり、巻き込まれたりする恐れがあります。安全機能を無効化せずに正しく使用してください。
○エンジンをかけたまま離れない
除雪機のエンジンをかけたままその場を離れると、こどもが近づいて触れるなどして思わぬ事故につながる恐れがあります。一時的にその場を離れるときでも、必ずエンジンを切ってください。
○人が近くにいるときは使用しない
除雪作業をする際は、周囲に人がいないことを確認してください。特に背丈の低いこどもは死角に入りやすいので、十分注意してください。
○障害物に衝突しないよう注意する
後進する際は、足元や後方の障害物を事前に確認してください。
○雪詰まりを取り除く際はエンジンを切り、雪かき棒を使用する
エンジンをかけたまま雪を取り除く作業を行うと、手を負傷する恐れがあります。雪が詰まったときは、エンジンと回転部が止まったことを確認し、必ず備え付けの雪かき棒を使用して取り除いてください。
○屋内や換気の悪い場所ではエンジンをかけたままにしない
除雪機の排気には一酸化炭素が多く含まれています。一酸化炭素は無色・無臭のため発生に気付きにくく、とても毒性の強い気体です。閉め切った屋内で除雪機のエンジンをかけたままにすると、短時間で一酸化炭素の濃度が高くなり非常に危険です。除雪機は始動・停止を含め、風通しの良い屋外で使用してください。
エンジンを切った状態で移動できない大型の除雪機の場合は、窓などを開けて十分な換気ができていることを確認してから“屋内で始動し速やかに屋外に出る”“屋内にしまったら速やかにエンジンを切る”などの対策を取ってください。
▼除雪機の盗難に注意!
昨年、市内でも家庭用除雪機が盗まれる被害が発生しています。被害に遭わないよう、盗難防止の対策をしましょう。
・エンジンキーを抜く
・屋外に置いたままにせず、物置や車庫に入れ、出入口を施錠する
・物置や車庫内でも鍵やチェーンで除雪機を固定する
■転倒事故を防ぐ
雪道は、気温や場所によってさまざまな状態があります。転んでけがをしないよう、危ない場所や歩き方などに注意しましょう。
▼こんな場所に要注意!
○横断歩道
凸凹や段差があるだけでなく、タイヤの摩擦で磨かれて滑りやすい!
○バスなどの乗降場所
人や車で踏み固められて滑りやすい!
○店舗の出入口
靴の裏に雪が付いていると、タイルなどの床はとても滑る!
▼こんなときは要注意!
○冬の初め
雪の降り始めや凍結路面の歩き方に慣れていないときは要注意!
○寒暖差の大きい日
日中の気温がプラスになったり雨が降ったりした後、気温が低下したときは要注意!
▼ツルツル路面でのポイント
・小さな歩幅でそろそろ歩く
・靴の裏全体を着けて歩く
・急がず焦らず歩く
■雪下ろし安全装備の貸し出し〔無料〕
市は、屋根の雪下ろし作業中の事故を防ぐため、安全装備の貸し出しを行っています。
貸出道具:安全帯、金具付きロープ、ヘルメット
貸出日数:3日以内
申込先:本人確認書類を持参し、防災対策室、北村・栗沢両支所、幌向サービスセンターへ
問合先:防災対策室
【電話】35-4823
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