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市長コラム 夢かなうまちおびひろ

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北海道帯広市

■パラスポーツ
帯広市長 米沢則寿
来年、パリでパラリンピックが開催されます。東京パラリンピックのボッチャ個人で、日本人初の金メダルを獲得した杉村英孝選手や、世界一のまま引退した、車いすテニスの国枝慎吾選手をご存じの方も多いのではないでしょうか。
パラスポーツは、広く障害者スポーツを表す言葉として知られていますが、パラリンピックのような競技性の高いものに限らず、気軽に楽しめるレクリエーション色の強い種目もあります。
よつ葉アリーナ十勝では、車いすバスケットボールやブラインドサッカー、サウンドテーブルテニスが行える時間帯を設けています。また、フードバレーとかちマラソンでは、今年から車いす部門が正式種目に加わるなど、十勝・帯広でもパラスポーツが少しずつ身近になってきていると感じています。
パラスポーツの語源は、「障害」ではなく、ギリシャ語の「対等」を意味すると言われています。有利不利が生じにくいルールの設定や、補助用具の使用などにより、年齢や性別、経験、障害の有無も関係なく、誰もが対等に参加できることがパラスポーツの考え方の原点にあるのだと思います。
以前「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」という研修に参加しました。真っ暗な部屋に入り、ガイドの指示通りに数メートル先のテーブルや椅子まで進み、グラスに水を注いだり、食事を取るなど日常のシーンを体験していきます。ガイドは視覚に障害のある方たちで、白杖を使い、声を掛けたり手を差し出したりしながら、参加者をエスコートしてくれます。漆黒の暗闇の中、視覚を失った私は、指示された距離や左右の方向すら分からず混乱してしまいました。普段の生活で、いかに視覚からの情報に依拠しているのかを思い知らされ、聴覚・触覚を総動員しての衝撃の時間を過ごしました。障害や障壁、得意・不得意というものは、置かれた状況や決められたルール一つで、大きく変わることを実感した貴重な体験でした。
パラスポーツに限らず、世の中にはさまざまな常識や決まり事が存在しています。時にはそれを、これまでと違う視点で考えてみる、そして、それぞれの個性が活かされるようルールを工夫していくことで、多くの人が対等に社会参加できる環境となり、活躍の場も広がっていくように思います。
11月にとかちプラザで、ボッチャを体験できるオビパラフェスタを開催します。皆さんもぜひ参加してみてはいかがでしょうか。

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