公共施設マネジメントの取り組み
帯広市内の多くの公共施設で老朽化が進んでいます。
市では、平成29年2月に策定した「帯広市公共施設マネジメント計画」に基づき、施設の長寿命化や統廃合などに取り組んでいます。
■公共施設マネジメントとは
将来にわたり公共施設等のサービスを安定的・継続的に提供していくためには、市民ニーズの変化や市の財政状況を考慮しながら、施設機能が効果的に発揮するよう、公共施設マネジメントに取り組んでいく必要があります。
公共施設等は、市民が快適で充実した生活を送るために欠かせないものであり、市では、六つの基本方針を定め、公共施設マネジメントに取り組んでいます。(図1)
図1 公共施設マネジメントの基本方針
・安全性の確保
・コスト縮減の推進
・施設総量の適正化
・民間活力の活用
・長寿命化の推進
・市民参画の推進
▽公共施設の総量
市が所有する公共施設は、令和5年3月末現在で、282施設、延床面積は約74・3万平方メートルとなっています。平成29年度末時点と比較すると、施設数は5減少し、延床面積は約1万平方メートル増加しています。(表)
市営駐車場や職員会館の解体、公立保育所の民間移管などに伴い、施設数が減少した一方で、総合体育館や拠点備蓄倉庫などを整備したため、延床面積が増加しています。
表 公共施設数と延べ床面積の推移
■公共施設を取り巻く環境
市では、昭和40年代後半から平成10年代にかけて、人口の増加や都市化の進展に伴い、多くの公共施設の整備を進めてきました。
このため、多くの施設で老朽化が進み、大規模な改修や更新が必要な時期を迎えています。令和5年3月末現在で、全体の59・3パーセントの施設が、築30年以上を経過しています。(図2)
図2 公共施設の建築年別整備状況
▽多額の維持管理・更新費用
すべての施設を維持する場合、今後40年間で毎年約83・2億円の改修・更新費用が必要との試算が出ており、直近5年間に要した年間平均費用の約5倍に相当します。(図3)
今後、人口減少・少子高齢化の進行に伴い、社会保障費の更なる増加や市税収入の減少が見込まれています。施設の維持管理や更新に充てられる費用は限られてくるため、すべての施設を維持していくことは困難です。
図3 今後40年間に必要となる1年当たりの公共施設の改修・更新費用の推計
▽利用状況の変化
施設に対する需要の変化や市民の生活様式の多様化などにより、施設によって利用者数に偏りが生じています。また、施設内でも、部屋ごとの利用率に大きな差が生じるなど、施設整備時に想定していた利用形態と実際の利用実態に乖離(かいり)が生じています。
■未来につなげる今後の取り組み
公共施設は、市民の皆さんの身近にあり、その在り方はこれからのまちづくりにも大きな影響を与えます。
単に施設を減らすだけではなく、長寿命化をはじめとする施設の保全・活用や、民間活力の導入などにより効率的な管理・運営に取り組んでいます。引き続き利用状況や時代に適した施設サービスの提供に努めていきます。
■これまでの公共施設マネジメントの主な取り組み事例
▽岩内自然の村
施設機能の廃止
主に青少年の自然体験の場としての利用を目的に昭和56年に開村。施設の老朽化が進み、耐震改修などの大規模な改修が必要な状況。
→加えて、利用者の減少、類似施設の整備が進んでいたことから、市民の自然体験施設としては一定の役割を果たしたものと判断し、施設機能を廃止。
▽上帯広農業センター・川西第2分団詰所
施設の複合化
川西第2分団詰所は、耐震性能や、消防車両を格納する車庫の狭小が課題になっていたほか、近隣の農業センターも劣化が進み、早期の対策が求められていた。
→そこで、消防体制の強化と農村集落の活性化を図ることを目的に、双方の機能を持つ、複合施設として整備する。
▽大空小学校・大空中学校
学校の統廃合
校舎の老朽化のほか、生徒減少に伴い、効果的な学習などへの影響が懸念されていた。
→こうした課題への対応や、小中一貫教育の推進を目的とし、校区が一致している大空小学校と大空中学校を統合し、新たに大空学園義務教育学校を開校。
▽総合体育館
民間活力を活用した施設整備・運営
市民の体力づくりやスポーツ競技の場として、昭和47年に建設された旧総合体育館は、施設の老朽化が進み、耐震改修などが必要となっていた。
→民間の経営能力・技術力を活用した施設の整備・運営により、事業費の抑制・平準化や質の高いサービスの提供につなげたもの。
問合せ:企画課(市庁舎5階)
【電話】65・4105
市ホームページID.1003535
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