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市長コラム 夢かなうまちおびひろ

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北海道帯広市

■自動運転がつくる未来
帯広市長 米沢則寿
2月6日から、市内で自動運転バスの実証運行が行われます。昨年は氷まつり会場周辺の短い距離を走行しましたが、今年は市街地と大空地区の計3ルートに大幅に拡大します。近未来をモチーフにしたデザインと、日高山脈や自然をイメージしたデザインが施された2台のバスが帯広の街を走る予定です。
皆さんは自動運転に対してどのようなイメージを持っているでしょうか。便利な移動手段としての期待がある反面、安全性への不安や実用面での懸念もあるかもしれません。私自身は昨年、実際に試乗したことで自動運転の車に対するイメージが大きく変わることになりました。まず外観ですが、試乗したバスにはたくさんのカメラやセンサーが付いています。このカメラで常に周囲を監視しているのだそうです。人間の目は二つしか無く、当然後ろは見えません。こうしたことから、人間よりも早く確実に危険を感知しているかもしれません。車内に入るとハンドルも運転席もなく、テレビゲームのコントローラーのようなものを持ったオペレーターが一番後ろの席に座っています。発車時はスタートボタンを押しますが、走行中のブレーキは緊急時を除き、自動で制御されているそうです。こうなると将来的には免許のいらない世界がくる可能性もあります。
走行中に舞った雪でセンサーがふさがれ、急ブレーキが掛かったこともありました。もし人間が運転中に視界を奪われたらパニックを起こさずに安全に止まれるでしょうか。時速20キロの走行は実用的ではないようにも思えますが、運転手なしで確実に移動ができることを考えると、例えば人間が買い物に行くのではなく、逆の発想でお店側が移動してくるサービスも考えられるかもしれません。人の移動手段としての輸送機器ではなく、これまでの固定観念にとらわれない新たなサービスにつながる技術として捉えることで、今後、懸念されているさまざまな課題を解決する可能性が格段に広がると思います。
国においても物流問題の解決に向け、ドライバー一人で複数のトラックを連ねて運行する実験を行うなど、自動運転の可能性を広げる取り組みが行われています。自動運転の実用化や普及にはまだ時間が必要ですが、この機会に多くの皆さんに実際に試乗していただき、自動運転がつくる未来の可能性について、今から一緒に考えていきたいと思います。

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