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地下の研究現場から 第42回-人工バリア性能確認試験~粘土の中の水の動き~

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北海道幌延町

国立研究開発法人日本原子力研究開発機構幌延深地層研究センター
モグ太くん:私たちの行っている研究について、広くご理解いただくために幌延町広報誌「ほろのべの窓」の誌面をお借りして町民の皆さまをはじめ、ご愛読者様に研究内容についてご紹介させていただきます。

第16回(2021年10月号)で紹介した「人工バリア性能確認試験「熱-水理-力学-化学連成現象」」では、地下に人工バリア(ガラス固化体、金属容器、粘土材料)を設置すると、金属容器の周りの粘土材料が温められたり、粘土材料に地下水が浸み込んで膨張したり、金属容器の表面が地下水により腐食するなど、様々なことが同時に起こるということを紹介しました。今回は、これらの現象のうち粘土材料の中を水が移動する現象について紹介します。
水は一般的に水圧が大きい方から小さい方へ移動します。また、温度が加わると、温度の高い方から低い方へも水(水蒸気)は移動しようとします。さらに、粘土材料の隙間が水で満たされている状態の「飽和」と隙間に水が全くない状態の「乾燥」の間の状態である「不飽和」の場合は、水分量が多い方から少ない方へ水は移動します(図1)。人工バリア性能確認試験では、人工バリアとして、不飽和の粘土材料を地下に設置した後、粘土材料の内側からヒーターで加熱し、外側から地下水を注水したため、3つの現象が同時に起きます(図2)。このような同時に起きる現象を理解するために、それぞれの現象を別々に調べる室内実験を行っています。図3は、温度による水分の移動を調べるために行った室内実験のイメージ図です。このように、単純な個別の現象をひとつずつ調べることで、人工バリア性能確認試験で生じるような複雑な現象を理解出来るようになります。

図は本紙をご覧ください。

広報調査等交付金事業

お問い合わせ先:国立研究開発法人日本原子力研究開発機構
幌延深地層研究センター…【電話・告知端末機】5-2022【HP】https://www.jaea.go.jp/04/horonobe/
ゆめ地創館…【電話・告知端末機】5-2772【HP】https://www.jaea.go.jp/04/horonobe/yumechisoukan/index.html

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