■研究が三者協定に則り進められていることを確認
町は、今年度、国立研究開発法人日本原子力研究開発機構(以下「原子力機構」という。)から提出のあった『幌延深地層研究計画令和6年度調査研究計画』、および『幌延深地層研究計画令和5年度調査研究成果報告』について、「幌延町における深地層の研究に関する協定書(以下「三者協定」という。)」第14条に基づき設置する「幌延深地層研究の確認会議(以下「確認会議」という。)」による内容確認結果を踏まえ、三者協定に則り、幌延深地層研究計画が進められていることについて確認し、その旨を原子力機構へ文書により通知しました。
幌延深地層研究計画の内容確認に当たっては、令和6年4月23日から令和6年8月26日まで、3回にわたり確認会議を開催し、「令和6年度調査研究計画」等に関し、構成員である北海道、幌延町および専門有識者からの質問のほか、道民から寄せられた質問等に対して、原子力機構から回答の説明を受ける形で確認を行いました。確認した事項の概要については、次のとおりです。
■確認会議で確認できた主な内容
1.研究成果及び研究計画について
●令和5年度の研究成果及び令和6年度研究計画について
・令和5年度調査研究計画書のとおり3つの必須の課題について研究を行い成果を得ており、令和6年度の研究計画どおり開始し、遅れや新たな課題は生じていないこと。
●深度500mまでの掘削について
・令和6年度の坑道掘削工事は、令和5年度に掘削を開始した東立坑と換気立坑に加えて、西立坑と500m調査坑道の掘削を開始すること。
・掘削工事は、退避ルートを確保する観点から、3立坑(東立坑、西立坑及び換気立坑)を同時掘削しないよう計画しており、令和6年度後半には、換気立坑と西立坑の2か所で同時掘削する可能性はあるが、東立坑を避難ルートとして使用する計画であること。
・湧水抑制対策について、西立坑では、調査ボーリングにより得られた情報に基づき対策工事を実施していること。また、500m調査坑道では、350m調査坑道からの調査ボーリングに基づき、数か所で対策工事を実施したこと。
・現在の地下施設の施設整備工程(令和6年3月13日付け「地下施設の施設整備工程の更新について」で示された工程をいう。)について、作業員の増員や型枠の移設作業の合理化など作業の改善を行い、掘削速度の向上を図ることで、令和7年度末までに全ての施設整備が完了する予定であること。
2.幌延国際共同プロジェクトについて
●令和5年度の実施状況について
・令和5年度の幌延国際共同プロジェクト(以下「共同プロジェクト」という。)では、共同プロジェクトで設定した3つのタスク※に係る実施計画や各タスクの詳細な研究工程の承認を行ったほか、情報の収集や整理、共有といった机上の検討を中心に行ったこと。・共同プロジェクトに関し、NUMO等の参加機関が幌延深地層研究センターを訪問した場合の対応状況(日程、場所、実施内容等)について、ホームページで情報発信していること。
※(1)タスクA…物質移行試験
(2)タスクB…処分技術の実証と体系化
(3)タスクC…実規模の人工バリアシステム解体試験
●令和6年度の実施内容について
・令和6年度における共同プロジェクトでは、令和5年度に引き続き、設定した3つのタスクに関する研究開発を実施すること。
●令和7年度以降の共同プロジェクトの実施について
・共同プロジェクトは、令和4年度第3回確認会議等において、「令和2年度以降の幌延深地層研究計画」に沿って、令和10年度末まで研究期間が設定されていることを確認済みであるが、令和6年度末で前半3年間が終了し、令和7年度から後半4年間の研究を実施予定であること。
・令和7年度以降の実施に向けた手続きについては、令和6年6月の第3回管理委員会において、次のとおり進めることを確認していること。
・第4回管理委員会(令和6年9月)において、令和6年度までに得られる成果と令和7年度以降の研究計画と工程を説明し、現在の参加機関に参加意思を確認すること。
・第5回管理委員会(令和7年3月頃)において、参加意思を示した全機関一致の承認により、令和7年度以降の実施を決定すること。
・令和7年度以降の実施に当たっては、共同プロジェクトの現在の協定書に記載されている、放射性廃棄物を持ち込まない、NUMOに研究所を貸与しないといった全ての条項は変更されないこと。
・新たに参加を希望する機関は、管理委員会の全会一致の承認を経たうえで、協定書に署名を完了した段階での参入となること。
3.情報公開・情報発信・理解促進について
・研究計画書や成果報告書で使用される固有名詞(声問層など)をはじめ、専門的な内容や用語、図表等については、分かりやすく、より丁寧に説明していくことが重要であり、説明方法については継続して検討する必要があること。
・研究内容に関し、研究期間内に得られる研究成果を基にした数万年単位の超長期的な実現象の予測への対応など、道民から質問等が多く寄せられている事項や懸念等については、引き続き、丁寧な説明を行う必要があること。
・ホームページについて、情報の受信者の多様性に考慮し、豊富なコンテンツによる多種多様な情報発信がなされているものの、情報量が多いことから、重要度に応じてコンテンツを配置するなど、より効果的に情報を発信する必要があること。
・地層処分及び研究開発に関する理解促進や積極的な情報公開の観点から、地下施設見学会を行っているものの、深度500mまでの掘削工事に伴い、見学者の安全確保や工程管理のため、平日の見学会に制限を設けざるを得なくなったことから、日曜日の見学会を増やすとともに、新たに平日の地上施設見学会を行っていること。
広報調査等交付金事業
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