文字サイズ
自治体の皆さまへ

言葉を通して知るアイヌ文化6

3/36

北海道幕別町

■イチャルパ(先祖供養)
お盆にお墓参りに行ってご先祖様の供養を行った方が多いことと思います。アイヌ民族にとっても先祖供養は重要な儀礼です。先祖供養はイチャルパと呼ばれます。
炉にいらっしゃる火の神様に対して先祖供養を行うことを報告した後、先祖を祀る祭壇へ行き、御幣(ごへい)(イウ)やお酒、食べ物などを捧げます。イチャルパは「供物を撒く」という意味ですが、供物は割ったり砕いたりして撒きます。そうすることで食べ物の魂が外に出て、先祖の元に届くのです。
昔は、各集落や各家庭で先祖供養をし、豊漁を祈る儀式やクマ送りなどの儀式の後にも必ず行われていましたが、時代の変化とともに、大勢で集まって先祖供養を行ったり、お墓参りをしたりすることが多くなりました。
明野にはヤムワッカウタリ慰霊碑(幕別墓地内)があります。ここには国道を修復した際に工事現場から出てきたアイヌの遺骨が埋葬されています。二本の墓標がありますが、十勝アイヌの伝統に従って、二股になった男性の墓標と、一本になった女性の墓標が立てられています。年に一度、幕別アイヌ協会が中心となって、この場所と、チロット(千住)のアイヌの墓地に埋葬されていた遺骨を一カ所に集めた白人コタン慰霊碑(稲志別墓地内)で先祖供養が行われています。

※「イチャルパ」の「ル」は環境依存文字のため、置き換えています。正式表記は本紙をご覧ください。

文・写真:阪口諒(さかぐちりょう)

問合せ:生涯学習課 学芸員
【電話】(幕)54-2006

<この記事についてアンケートにご協力ください。>

〒107-0052 東京都港区赤坂2丁目9番11号 オリックス赤坂2丁目ビル

市区町村の広報紙をネットやスマホで マイ広報紙

MENU