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言葉を通して知るアイヌ文化10

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北海道幕別町

エゾリス

冬になっても、エゾリスは冬眠せずに活動しています。きれいに真っ二つに割れたクルミの殻がよく落ちていますが、それはエゾリスが中身を食べたものです。アカネズミの仲間もクルミを食べますが、ネズミはクルミに穴をあけて食べるので、殻を見ればどちらが食べたのかすぐに分かります。
エゾリスは、十勝地方や日高東部のアイヌ民族はニウエオと呼んでいました。足寄ではウェンペ「悪いもの」とも呼んだそうです(足寄は釧路アイヌの文化圏に入ります)。ニウエオは語源がはっきりとは分かりませんが、ウェンペはウェン「悪い」ペ「もの」という意味です。これは木の上にいて人を拝んでいるような様子が不吉とされていたからで、朝、狩りに出かけるときにエゾリスを見かけるとその日はだめだといって家へ戻ったそうです。また、家の側にエゾリスが来てそれが歩いて山へ逃げて行ったらその家は滅びるなどとも言われていました。
日高西部や胆振、石狩川流域ではトゥスニンケと言いますが、トゥス「巫術(ふじゅつ)」ニンケ「消す」で、「巫術をして姿を消す」という意味だと考えられています。前足を体の前でこすり合わせるような仕草が巫術をしているように見えたり、巫術を使って瞬時に移動していると考えられたりしたことからこの名が付けられたようです。

文・写真:阪口諒(さかぐちりょう)

問合せ:生涯学習課学芸員
【電話】(幕)54-2006

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